三郎丸氏>
時が経つのは早いものだ、というより記事を書くのが遅すぎた(笑)
そして教会巡り、通常の女子旅より多めで申し訳なかった(笑)
本当はしっかり勉強(どこに何があるか把握して目的を持って見に行く)してから行きたいとこなんだけどね。それをしたら、多分もっと多くの教会を片端から見ていくことになっただろう(笑)
教会そのものもなんだけど、色んな建築様式の違いとか、入り交じっているのが面白くってつい、ね。あとバロック聖堂の本場の…いやまあ止しておこう。
時代時代の建築様式ってやつがよく表れているのが、聖堂という訳…。教会とか建物(崩れているのも含む)は何とか美術展で日本に持ってこれないでしょ。
シャルダンの木苺は、ある意味トラウマ(笑)
あの展覧会のあとは何となく赤いものを口にしたくて、適当なものが見当たらなかったので、取り敢えずアセロラドリンクを飲んだのですが、これじゃない感が多いにありまして。
さて、この記事でおしまい。
ティヴォリに比べてこの4日目がかなり短くてバランスを欠くとか。。。いや、もう少し書こうとしたけど、コロッセオとフォロ・ロマーノのあたりで延々廃墟写真になるので、カットしました(笑)
さてさて。ついにサン・ピエトロ寺院に行く時が来ました。
第一日目に美術館は行ったけど、諸事情により聖堂と別々に行くことにしたのです。
ベルニーニの列柱の腕に囲われた楕円形の広場。
その列柱の間を通り抜けいよいよ中へ。
さあ、右手に見えるのがかの有名なミケランジェロのピエタです。
遠いよ…!
柵が張ってあって、十メートルは離れているでしょうか?
豆粒のようなピエタ。
ミケランジェロパワーが全然伝わらない。いや、離れていても傑作にはオーラがある、それは認めましょう。とはいえどんなに傑作だろうと、いくらなんでもこれは無理。この距離で感動するなんて、そんな眼力(と視力)は私にはありません。
これだったら、パリのサン・ジェルヴェ教会の裏口にあったピエタの方が感動した。まあ、サン・ジェルヴぇもまたティヴォリ的な巡礼地だったこともあるのですが…。
(いや、確かピエタだったような気がするのだけど。人気のない裏口からそっと入ると、それが見下ろしていて、ゴシック建築の丈高い色硝子から降る光の粒が、マリアの頬に色とりどりに散っていた。)
因みに、見せたいだけのサン・ジェルヴェの写真。
さらにちなみに、そのピエタ(確か)が写真に収まっていないで、左の似たような別の写真を撮ってあるのは、その裏口の彫像の不意打ちに気圧されてレンズを向けるのが恐れ多く気が引けたからなのでした。
さらに脱線すると、サン・ジェルヴェは20世紀に入って戦争で爆撃を受けて、半分くらい壊れてしまったので、このステンドグラスは新しいもの。その中で16世紀くらいのオルガンは残って現在パリ最古だというのが、きっとサン・ジェルヴェの歴代オルガニストの執念かも知れない(笑)
で、イタリアにもどって。
ピエタには微妙にがっかり……。これは見たうちには入れられない。
それにしても屋内でこれだけ離れることが出来るのが凄い。というだけのことでも感動しておきましょう。悔し紛れに。
ピエタ以外にも、いちいちの彫刻が無駄に躍動的で面白い。ドレーパリーが目に楽しいです。翻る衣紋は夢です。
ヴェロニカさん。そして後陣のごってりわらわら装飾が相変わらず好きだ。それを指さす彫刻も素敵だ。
すり鉢状のフォロ・ロマーノを再び登って、そこを後にします。
例の有名なローマのシンボル、雌狼を発見。
なんだこの偽物感・・・(笑)とくに狼の足元の物体とか・・・。まあ、冬だからね。
もう少し坂を登ると本物がありました。いや、本物と言うと語弊があります。野ざらしのこれもコピーで本当の本物は博物館にちゃんと収蔵されているそう。
坂を登りきると騎馬像のあるカンピドーリオの丘に裏口から浸入します。
ああ、ここ、先日の展覧会で出てた素描でロベールが描いてたとこだ…。
さて、ゆるゆる街歩きです。
テヴェレ川の方のマルセラ劇場、フォルトゥーナやウェスタ神殿など。
ようやくイタリアカラスの写真を撮る。この地のカラスは黒と灰色の2色なのが珍しいです。
ウェスタ神殿の前は小さな公園のようになっています。
夜に下から光をあてるため芝生にはえている照明器具の上に一羽のジョウビタキが止まっている。 カラスは白黒だけど、ジョウビタキは色も変わらず、尾を振りつつ、頭を下げつつ、時折さっと芝生の上に舞い降り、またすぐ見晴らしのいい照明器具の上に戻っていきます。
イエズス会のイル・ジェズ聖堂に行きたかったのですが、3時頃になっても扉は開かない。 もう少し時を置いたら開くかしら、とまた周囲をぶらり。
このままイル・ジェズ聖堂が開かない可能性が多いにあったので、埋め合わせにふと見かけた聖堂にふらりと立ち寄ってみる。
サンタ・マリア・ソプラミネルヴァ聖堂は、超すっきりした入り口正面とは打って変わって、内部は身廊の天井が交差した尖頭ヴォールトで、その曲面は鮮やかな青一色、美しい星々がちりばめられている。
おや、ミシェル・フイエの「イタリア美術」という本には「イタリアでゴシックの時代にゴシック建築はそんなに流行らなかった」と書いてあったから、こんなにステンドグラスもばっちりな、がっつりゴシックなのは結構珍しいのかも。いえ、いつ建てられたのか知らないけれど。
そして、事前に調べることもしていなかったので、特に狙った訳ではないけれど、そこにはローマに来て以来俄かにファンになったフラ・アンジェリコが眠っているのだそうです。
再びイル・ジェズ聖堂。開く気配は無し。
もしだったら天井画が見られたはずだ。まろりーの見たかったジェズ聖堂の天井画はリンク先のウィキペディアでご参照ください。
バロックなるものに多大なる影響を及ぼしたというイエズス会。イエズス会といえばバロック。その本拠地・総本山(たぶん)とも言えるイル・ジェズ聖堂。うーん、見たかったな。
聖フランシスコ・ザビエルが祀られていて、彼は日本の守護聖人であるらしいよ。
ぶらぶら周りの街並みと、さりげなく点在する遺跡を楽しみながら、女子な感じのガイドブックにあったお店など立ち寄る。
イタリア旅行なんて銘打っているけど、ローマは多分、正確にはイタリアでないだろうと思う。これだけの保存すべき遺跡を抱えて、これで「近代的発展」なんて出来る訳ない。
日も大分傾いて来て、最後に向かうはサンタ・マリア・マッジョーレ聖堂。
この旅の最終日の最後の観光地としては最高にふさわしい場所で、何故ならそこにはベルニーニの墓があるからなのです。
入口正面の装飾はちょっと変わっている。
2階がバルコニーのようになっていて、そのさらに上方を支える柱と柱、アーチの隙間から壁のモザイク(多分)のキリストが見える。そのバルコニーの両端に誰かいる、かと思いきや、天使の彫刻でした。
左の天使さんが、こっち見てる…。若干、夜動きそうで不気味かもしれない。
1日が終わろうとする時の、沈みかけの太陽の、赤みを帯びた光が、聖母子像を黄昏の暗がりから照らし出し、背後の古い金のモザイクを輝かせている。
極美な! この旅行中見た、最もダイナミックな、ドラマチックな陰影でした。
でも結局、ベルニーニの墓の場所はよく分からなかった。宿に帰って調べてみると、内陣の辺りの床だとか…。
あっ、その辺で何かアルファベットの書いてある床石を踏んだぞ! あれだったのか、ごめんよベルニーニ!
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追記。 最後の晩餐は、ふとドトール的なカフェで見かけたタルト。
友よ、なぜ私がこれを特に所望したか分かるかね。
少し前に来日して素敵だったシャルダンの木苺の籠が美味しそうだったのをまだ引きずっていて、やあイタリアであの絵からこぼれたような木苺に会ったぞ、と。
追記2。道端で買ったお土産。ファブリさん。
18世紀のグランドツーリストを気取って、当時のお土産として大人気だったヴェネチア絵画(の画集)を買ってみたよ。
ロンギとグァルディ。・・・ヴェネツィア行ってないのにね。
商品に直にマジックで2ユーロとか書いてあるし。2ユーロでも高くないか…!? しかもあれです、読めもしないイタリア語です。
しかし、小型とはいえロンギ単体の画集なんて初めて見たわ…。流石はイタリア。
横浜美術館プーシキン美術館展~フランス絵画の3百年~
プーサンからレジェまでどの絵も素晴らしく、
概要は、副題のまま、
最初はプーサンのバロック古典主義絵画ですが、続く3点ほどは、
シャルル・ル・ブラン<モリエールの肖像>
モリエールのいつものもふもふの鬘も素敵なのですが、
額縁の上部中央に装飾された組み文字が彫られていて、
グリムーのリコーダーを持つ少年。こういう絵が単純に好きだ。…図版入手ならず。雰囲気こんな感じです。
グリムーのグーグル画像検索
例えば、こういうオランダ絵画と同系統かしら。本来ならユトレヒトのカラヴァッジョ追随者が来るところを、ハールレムのモレナール。微妙に彼のファンなので、モレナールを見せたいだけです。
ヤン・ミーンス・モレナール<リコーダーを持つ少女>
ええと、モレナールはおいといて。
柔らかいレンブラント風の光。
羽飾りの鍔なし帽子を被る紅顔の少年、
そうでなくても、こういう単純な絵が単純に好きなのです。
蝋燭の灯りの下で手紙を読む女性。
クロード・ロランの理想的神話的風景画。
クロード・ロラン<マルシュアスのいる風景>
前景で小さく描かれているのは、木に縛られたマルシュアス。
技芸の神様アテネが作って捨てた笛(つまり最高の性能の笛)
かなり凄惨な神罰の背景で、それとは関係なしに、
謎の神殿の浮かぶ湖、崖の上にはドーム天井の古代の神殿、
絵の中に首を突っ込んで白くけぶる大気を胸一杯吸い込んで肺の奥
ブーシェのお師匠、ルモワーヌの素描の寓意。
霊感を受ける画家とモデルの寓意画。
子供にしてはいやに目付きの鋭い画家は、
背景は古代調で、
モデル役のプットーの被る布を除けようとするプットーと、
でも同時に画家とモデルという関係をちょっと思い出していたり。
ブーシェも大人の職業や牧歌的な恋愛を子供の姿でという絵を良く
次に続くのは、軽快な主題の室内画3点。
ランクレ。間男が奥様にプレゼントを贈るために、
マルグリット・ジェラール、フラゴナールの義理の妹。
プレリュード(前奏曲)と題された絵。
もちろん何の前奏かって、
とりあえず、楽器(特に猫脚クラヴサン)
さて、ブーシェ!
フランソワ・ブーシェ<ユピテルとカリスト>
この絵のために、何度プーシキンに行きたいと思ったことか!
数あるブーシェの中でも最高傑作の1つじゃないかと思います。
主題はユピテルとカリスト。
ディアナに従うニンフのカリストは、
…ただ単純に美女二人を絡ませたかったので、
神話の使い方、本当に上手いな…! この後、
まあ、内容はさておき。
やはりこの絵の神髄はその色彩、
やや白濁した明るい水色とミントグリーン、
その背景の森の人工的な青と緑の軽快な諧調は、
三角形の構図を取る人物、
三角構図の固さを崩そうと空の水色の中に戯れ舞う薔薇色のプット
この色の響き合いたるや…!
背景のニュアンスに富む寒色のグラデーション、
多分、このユピテルとカリスト(女性二人)
ブーシェの何が好きかって、
言ってしまえば、この物事に関する恬淡さが、
同時代の批評家ディドロは正しい! 逆の意味で。
「才能の浪費、時間の無駄。」「何という色彩、何という多様性、
この絵の前に真実なんて何であろう。
そして、絵とぴったりのロカイユ装飾の額縁がひたすら格好いい。
ロカイユ、
割と本気で複製画(ポストカードや大判印刷でなく)
カルル・ヴァン・ローのユノ。ヴァン・
アイボリーと鈍い水色の色彩がいいなぁ。←
落ち着いて大画面でどっしり構えているものの結構若々しく描いて
ヴェルネのサルヴァトル・ローザ風と銘打たれた風景画。
クロード・ジョゼフ・ヴェルネ<ローザ風の風景>
…ヴェルネ、よくやった! 思わず笑っちゃったじゃないの。
大岩のごろごろする険しい山や、滝川の急峻な流れ、
その荒々しいファンシーさが18世紀からロマン派に流行したので
売る気満々だなぁ…(笑)18世紀の受け狙い絵画本当に大好き!
ちょうど良い位置にある険しい岩のちょうど良い隙間から滝が流れ
崖の上には古代の廃墟と空気に霞む糸杉。この鉄板フレーズ、
まあ、
ただ、ローザの絵をカラーでそんなに見たことがないのだけど、
ヴェルネについていえば、ロマンチック&
おそらく、次世代を予告しているのは、前ロマン主義的な月夜で、
というか、ヴェルネってクロードとローザを混ぜこぜに出来る凄い風景画家なのかも知れない。
で、ローザでヴェルネにテンション上がったところに、ユベール・
古代エジプトと古代ギリシアと古代ローマが一緒くたになったよう
一番向こうに聳えるエジプトぽい四角錐の建物、
エジプトぽいスフィンクスの口から噴水が出ていて、
岩にロベールのサインとイギリス人へ贈るとの英語のメッセージが
何この雰囲気付けのために字だけは旧字体で書きましたみたいな乗
もう、本当にロベールには共感する。ロベール展2やって欲しい!
続く古典主義とロマン主義の時代。
十八世紀から受け継いでロマン主義にも流行ったオリエントの異国
それと同時に、非現実なほど理想的に滑らかな古典主義絵画。
もちろん、女性を描くには柔らかくてうってつけで、
ミレーはいつものミレーで、コローはいつものコロー。
仮面舞踏会のだらけた様子の絵。
大目玉のルノワールの肖像画。
いい絵だね…!ハッピーな絵。
とてもハッピーな背景色がおしゃんてぃです。
こんなピンクにしちゃったら、
一体どこから背景色をすごい勢いのピンクにするという発想がわく
ドガのパステルとロートレック好きでした。
シャガールの哀切極まりない絵。故郷が戦争で破壊され、
緑色の夜空、歪んだ三日月の下で街はひっそりとして、
空には、馬に導かれる白いドレスの青い顔をした花嫁と、
最後のレジェの絵は戦争が終わって、
全体は黄、赤、青、緑の原色で平面的に塗られていて、
鉄の隙間から見える白い雲が高さと解放感を醸します。
おそらくシャガールの街は壊されてしまったが、
壊すのも人間なら、創るのも人間。また新たに再生が始まります。
コウセイ様>
お久しぶりでございます!改め、只野さまとお呼びしたほうがいいでしょうか・・・。
イタリア旅行記、ものすごくのんびり進めております…(笑)もう全文は早々に書きあがっているのですが、画像を張り付けるのがなかなか大変で(笑)年内には終わらせたいところです。
私はほぼローマ近郊だけ廻ったのですが、ローマはやはりちょっと歩くとすぐに遺跡だの派手な天井画のある聖堂だので、いちいち面白かったです。
チヴィタ・バニョレージョ、本当にリアルにディズニーランドかドラクエか、といったところでした。猫がたくさんいたので、危うく猫ばっかり写真に収めてしまうところでした(笑)
化け物公園も、本当いちいちへんてこなデザインばっかりで、思った以上に俄然よかったです。ちなみに、シーズンオフの冬に行ったので、ツアーで一緒に回った人たち以外は、ほかに一組だけしかお客さんいませんでした。カップルで…化け物公園に…デートしに来てました…。
夜に行くのは、…ちょっと怖いですね。なんか変なものも見ちゃいそうです。
新HP、お待ちしておりましたーーー!
さっそくリンク張りなおしてあります。
リアルの方でいろいろご事情があったとのことで、心配しておりましたが、ご復帰できるほどには落ち着かれたようで、本当によかったです><
こちらは、相変わらず、ぐだぐだと学問の発展になんの寄与もしない語りをときどき繰り返しておりますが、よろしくおねがいいたしますねー^^