昔から、望遠鏡とか顕微鏡とか好きで、小さい頃はそれでよく遊んでいました。長じて、方解石とか、テレビ石とか、三角プリズムとかを無駄に大人買いしたりします。(全然、科学の分からない文系に育ちました。)
そういう、光学っぽい遊びって好きなんだ。決して科学的だった訳ではないけど。
最近、フェルメールとか、よく日本に来るから、フェルメールと聞くたびに、カメラ・オブスクラを連想して、ふとあれを描いた19世紀の版画を見て、「あれは作れる!」と急に頭に降ってきたから、早速、妄想だけで作ってみた。
最近流行りで巡回展とかやっているフェルメールのためじゃないんだからね、本当は同じくカメラ・オブスクラを所有していた画家カナレットの為なんだから! と、意地を張ってみます。
そんな訳で。
夏休みの自由研究にお薦め!(この記事を書いている今は11月だが!)
紙でおもちゃのカメラ・オブスクラを作ってみたので、その制作日記書いてみます。作り方!と言いたいところですが、今回イメージだけで作ったもものより、慣れた人が作ればきっともっと改良出来ると思うので
、作り方とは大々的に名乗らないことにする。
ご存じの方も多かろうので、耳にたこな方はこの項目はお読み飛ばしください。耳にたこな事しか言いませんから。
◎そもそも、カメラ・オブスクラとは?
例えば、虫眼鏡のレンズを通った窓の光は、上下左右反転して、反対側の壁に窓の外の風景を映し出します。
でも、こういう時、虫眼鏡が壁に映し出せるのは、部屋より明るい、晴れた日の窓や、テレビなど、明るいもの。でないと、周りの明るさにまぎれてしまって、殆ど像が映りません。ちょうど、昼間に星の光が眩しい太陽に隠れてしまうように。
虫眼鏡を持った人が、真っ黒なカーテンに覆われた真っ暗な部屋へ行って、外を映せば、曇りの日でも、もっとはっきり見える。
この暗室が、カメラ・オブスクラ。カメラは「部屋」、オブスクラは「暗い」という意味で、もともとはこのような人が入る暗い部屋を指していました。(もっとも、最初のカメラ・オブスクラはレンズではなく、ピンホールで像を映していました。)
でも、それではちょっと不便なので、同じレンズの性質を使って、壁がなくても、周りがちょっと明るくても、レンズを通る光を映し出すことの出来る、下の図のような、もっと小さいの箱型のものが登場しました。
これもカメラ・オブスクラと呼びます。専門用語で「何とか型カメラ・オブスクラ」みたいな名前があるようだ。忘れた。
このカメラ・オブスクラは、端にレンズが付いた箱の中に鏡が入っていて、レンズを通ると、上下左右が逆さまになってしまう像を、鏡に真上に反射させることで、上下だけ元の向きに戻るようになっています。それをスクリーンに透過させて、上から覗きこむ。こうすれば、より現実に見るのに近い像が得られるという訳です。
因みに、これで映った像を紙などにそのまま留めておけるように頑張ったのが、現代でいうカメラです。
さて、実際に材料を集めてみます。
◎カメラ・オブスクラ制作に使ったもの
●工作用の方眼つきの厚紙。
1センチ刻みで緑の線が引かれているやつ。安価で扱いやすくて、色々な長さも計り易いと思ってこれにしてみました。一枚50円強だったと思う。今回はそれを5枚使いました。
大きな文房具屋さんや、美術用品店の紙売り場に売っているのではないかな。脇に「おなまえ」と記名欄がある。因みに記名はしなかった。
●四角い鏡。
100円ショップで購入。程よい大きさで色々と余計な部分(スタンドとか)を簡単にもぎ取れそうな奴を選んだ。(つまり一番ちゃっちいもの)
●レンズ。というか虫眼鏡。
これも100円ショップ。それなりの大きさで、色々と余計な部分(持ち手とか)を簡単にもぎ取れそうな奴を選んだ。(つまり一番ちゃっちいもの)
●マスキング・テープ。
工作の腕前には自信が無かったので、紙を傷めず何度も貼ってはがせるように。因みに、外見が工作用紙で、しょぼくなる事が予想されたので、水玉の可愛いものを用意。300円弱。どの材料よりも高価だったという。
このテープの最大の誤算は縦に裂けやすいことでした。そして、案の定粘着力が弱くて、テープが重なった部分などは、すぐはがれてきます。出来れば、絶縁テープのような、遮光性と粘着力のあるテープがお薦め。
●トレーシングペーパー
カメラのスクリーンとして使う半透明の薄紙です。本来は、絵などの上に乗せて、下の図案なんかを書き写すときに使うあれ。
歴史的?なカメラ・オブスクラは擦りガラスを使うと思いますが、紙製のカメラには、たいへん危険と思われます。
◎購入したレンズの性質の文系的な確認
この項目、あくまで文系的。そして、小学生の理科の教科書にも劣る内容と思われるので、お詳しい方はお読み飛ばしを。
さて、買ってきた虫眼鏡を無理に壊して得たレンズ。約2メートル上の天井の電気の像を床に作ると、大体30cmの高さで焦点が合いました。
夜、暗い部屋で、小型の卓上灯の光を、虫眼鏡で壁に映すとお分かりになると思いますが(というか、中学生から光学の知識が退化しているまろりーが実際に夜な夜な行った)、レンズと卓上灯の距離が近いものは、レンズが壁から近いと、とっても小さく豆粒のように映り、そのまま遠くに離して行くと、再びある一点で大きな像が得られる。遠いものは、より壁まで短い距離でも、大きくうつります。
そして、レンズが壁から遠ざかると、その距離の間に光が弱くなり、像は暗くなります。
同じ事がカメラ・オブスクラにも言えるはずです。
● あまりに壁に近づかないと像が得られないレンズは、カメラ・オブスクラ用には向かない。構造上、レンズとスクリーンの距離は最短でも10センチくらいは離れるだろうと思われますので。
●近くのもの程、スクリーンまで長い距離が必要。=狭い室内で使う為には、カメラにはある程度の長さが必要である。
◎カメラ・オブスクラの大きさを頑張って考える。
まろりーにとっては、これが一番時間掛かった。
カメラの適切な長さ・高さはレンズの性能と自分の映したい距離に左右されるので、紙を切り出す前に、より効率的に無駄なく紙を切るために、ちょっとだけ考えてみた。
前項より考えて、つまりは2メートル先のものを、我らがカメラ・オブスクラにはっきり映すには、スクリーンまで30cmくらいの距離が必要、ということかなぁー。室内のものを映すつもりで、まあ、最短2メートルなら離れられると。
鏡で垂直に光を反射させる距離も合わせて、カメラ・オブスクラの全長は30cmほどで間に合いそうだ、と見当をつけました。……途中で考えるのが面倒になったので、足りなければ張り足せばいいし、長すぎたら切ればいいや、と最後には考えました。結局、適当。
まあ、数字を考えるのが得意な方は、焦点距離云々を計算して、最適なカメラの大きさをスマートに算定出来るのかも知れません…。よく分からないけど。
◎ようやく作成。
基本は箱。さあ、直方体の展開図を思い出すんだ。
カメラ・オブスクラのための展開図。
一つにまとめました。
この項目、以下この展開図について補足です。
私は無駄を無くすのと、何か色々と計算しやすくするため、鏡の大きさにぴったり合わせた長さにすることに決めました。
100円ショップで買ってきた鏡を測ると、12.5cm×16.5cm。
…大きさが整数の鏡を買えばよかったと激しく後悔するも、気を取り直して、幅12.5cm、高さ16.5cmの箱を切り出します。
どちらがいいかは分からないけど、私は室内を映す想定で縦長の画面にしました。例えば、風景などを映すなら横型がいいのではないかな。お好みでどうぞ。
実際には、鏡は斜めに置くので、高さは12、3cmほどで足りたけど、まあ、16.5cmは絶対に越えない事は計算抜きに何とか分かったので。
●スクリーンを張って本体とするパーツ。
一面が空いた箱の上部を四角く切り抜いて、真っ直ぐ折り、テープを張って組み立て。ご存知の方も多いですが、余計ながら念のため、折り目を付ける時は、一度定規を当てたカッターなどでほんの軽くあるかないかの傷を付けてから折ると、綺麗に折れます。
●鏡を乗せる三角柱型の台。
鏡を垂直に反射させたい=斜め45度に傾けたい=土台は直角三角形。直角三角形の一番長い一辺が、鏡の高さと同じかそれよりやや長いくらいの、三角柱の最低限立体で立つ3面を切り出し。適当にテープで鏡にくっつける。
●スクリーン
トレーシングペーパーを本体よりやや大きく切り、四隅に切り込みを入れて周りを折って、本体にぴったり乗せる。テープで止めてしまってもいいかも知れませんが、私はカメラの中に手を突っ込んで作業したかったので、乗せるだけ。
本体に合わせて、レンズをくっつけるパーツと、四角い筒パーツを切り出し。
筒は、本体に被せるので、紙の厚さぶん、ほんの1mm弱だけ大きめに切ります。
レンズのパーツは、その筒に蓋をするように。対角線を引き、中心にレンズより5ミリ小さい円を切り抜く。そこにレンズをテープでべったり貼りつける。それから四隅を四角く切り、折る。
全部のパーツを合体させれば、基本は完了! もう、カメラ・オブスクラは周りの景色を映し始めています。
でも、そのままでは映す対象が明るく、カメラ側がある程度暗くないと、像が見えない&薄ぼんやりします。
そこで、スクリーン周りを暗くする覆いも追加してみます。
正直、これは余り考えて作っていないので、もっと良い形があるかも知れません。まあ、スクリーン周りさえ暗くなれば、どんな形でも良いのです。
で、出来上がった覆いを本体に装着☆ フル装備のカメラ・オブスクラの完成です!
やっぱり格好悪い! 業者さんには悪いですが、緑の罫線が本当にぐだぐだです。水玉のテープもいい感じに安っぽいなぁ。
◎さあ、オブスクラなカメラライフの始まりです!
ごく至近距離用に、長ーいのも作って見ました。暗くした部屋で携帯電話を映す。向こうの光が携帯電話。待ち受け時計が左右逆なのがお分かり頂けると思います。本当はかなりはっきり映りましたが、これを撮るデジカメが、ピント合わせられませんでした。
実用性はゼロだったので、結局長い筒を2つに切って短くしました。
左;和室から広縁にあるソファと硝子天板のテーブルを映す。2メートルくらいの距離。この8畳の和室は、光が一方からのみ入って、奥が薄暗いので、覆いがなくてもよく映ります。
右;お気に入りの椅子。椅子の脚にピントを合わせると、背もたれが合わなくなるくらい、ピント調整は繊細。
こういうのが一番綺麗に映るかも。窓から見える電柱と電線。
◎色々な所感
●見た目や素材がしょぼい割に、以外に鮮明に写ってびっくり。
●最もシンプルな形では、ただ一つの箱の中に鏡を入れて、片側にレンズをつけ、上部にスクリーンを切り抜けばよいと思います。非常に持ち歩き易くなるから、手に持って自分が前後に動けば良い。
●予想以上に紙はやわいので、重すぎるレンズや鏡は選ばない方がよい。これ以上大きなカメラは、工作用紙では強度が足りないかも知れない。あと、重いとやっぱり腕が疲れる。
●室内を映す想定で作ったけど、このカメラでは、1メートルの距離にピントを合わせても、結構視野が狭いので、映したいものの全体を映すことが出来なかったりする。何かを全体で映すには、割と奥行きが必要。あるいは、レンズを変える。
●これを覗きながら室内をうろうろすると、明るさと暗さ、光と意陰の移り変わりに敏感になるかも。この場所でならよく映りそうだ、とか、午前中の光の向きだったら映すに最適だったかも、とか。カメラマンの目というものがあるように、カメラ・オブスクラ的なものの見方があります。
●カメラ・オブスクラの真骨頂は、「動画」だと思う。風にさ揺らぐカーテン、そよぐ木々の梢、ふとスクリーンを横切る蝶や鳥など、動くものを映すと、トレーシングペーパーの中で、それらが生々しく動きます。
●あまりに見た目が格好悪いので、色を塗ったり紙を貼ったりすると、まだましかも。というか、箱の内部を黒くすると、きっと良い気がする。
●木工得意な人は木工で格好良く作ってほしい。
●それにしても、700円で1ヶ月くらい遊びました。本当に大人気ない!
素敵な時間の無駄でした。
おそらく間違っているのだけど
簡単な羽ペンの作り方を紹介します。レッツトライ。
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まず羽根を用意しましょう。スタンダードは、ガチョウの風切り羽です。あとは白鳥とか。
私は、東急ハンズのクラフト用品売り場でガチョウのを購入しました。
他の鳥の羽では、街で拾った鴉の羽で作ってみました。
ガチョウより、ちょっと柔らかかったです。ガチョウのが書きよい。
――なんだか、円筒形のものなら何でも作れるかも…?
作り方は、ネットの記述を参考にすると、切る前に羽軸の先を熱した砂に突っ込む
とありますが、やらなくても何とかなります(笑)
でも多分、先が硬くなって書きやすくなるんだと思う。
(そんな感じで砂に入れてみたのがこのページ。)
で、切り方は羽軸の先を下図のようにペン先のような形に切るのが基本です。
羽軸を切ると、もしゃもしゃした螺旋形の中身が出てきますが、それは取ってしまいます。
それから、鉛筆を削るように先を削って、厚さを薄くします。
ペン先を細らせるのではなく、厚みを減らします。
試しに書いてみて、先が柔らか過ぎたら先を太くします。
先端が四角くなるほど太いペン先でも、角で書くと線が太くなりません。
(と思います…私は太いペン先だと、どうも調子が悪かったです)
気に入った書き味が得られるまで調整を繰り返しましょう。
先を太くしたり細くしたり、赤い線の部分を長くしたり短くしたり…。
…好く調整しても、鉛筆みたくあっという間に磨り減っちゃうんですけどね…!
そこはまあ、ご愛嬌。
どうしても金属ペンの方が書きやすいので
金属ペンの先を参考にするのもいいと思います。
調整を繰り返すうちに、羽軸が短くなって、羽毛が邪魔になっていきます。
そしたら、余分な毛は切ってしまいましょう。
…私は使いやすさよりファンタジックな見た目を重視して(笑)切りませんが
むしろ削る前に最初から半分以上切ってしまうのが伝統的。邪魔だものね。
ご参考までに、下の写真がある時の私のペン先の状態です。
大体こんな感じです。先程もちらっと言いましたが
羽ペンはとても耐久力が低くあっという間に先が磨り減りますが
使わないと上手く書けるようにならないと思いますので、ばんばん使ってやって下さい。
最後に、鳥の羽軸は意外と硬いので、作るときに怪我をしないよう気をつけて下さいね。
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きちんと、本格っぽい(?)感じで羽ペンを作ってみました!
→1.テンパリングしよう→
→2.ペン型に切ってみよう→
英語サイトを読んでちょっとだけ進化した?
羽ペンの作り方をレポートします。レッツトライ。
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昨日の晩から、鳥の羽を水につっこんでいました。羽ペンを作る為に!
そのまま羽をそれっぽく削るだけでも十分ペンとして機能するのですが、もっと丈夫でしなやかな羽ペンを作るために、一晩水に浸け、熱した砂に突っ込むことが必要だというのです。
この作業を、テンパリングと呼ぶらしい。
折角だから、3本同時に作ってみることに。写真は、今朝の羽根の様子。
左から、ガチョウの羽(ハンズで購入)、カラスの羽(その辺で拾う。ちゃんと洗ってあります)、推定七面鳥の羽(オーボエのお掃除用を楽器店で購入)。
うむ、ガチョウの羽が一番ペンとして使える部分(羽軸の根本から毛の生える部分まで)が長いみたいね。
昨晩は、水に浮いてしまって、上から蓋を被せないと、水に浸かってくれなかったのですが、今朝になると、吸水したらしく、蓋なしでも沈みました。
さて、お次の作業は、熱した砂につっこむ、みたいで。
英語サイトの説明を訳しながら試しているのですが、
350ディグリーズ・ファーレンハイトのオーブンで15~20分間焼いた砂に、水に一晩浸けた羽軸を突っ込みましょう!
このメリケン野郎!何度だよ、華氏350度って…。
まったく何度なのか見当もつかないので、インターネットで公開されている変換プログラムで計算しもらいました。
華氏350度=摂氏176.66666666666663度 らしいです。
…ま、180度ってことね。
それで、砂なんだけど…。砂って何?何砂を使うの?英語の説明には言及なし。
まろりは、砂と言えば砂場の砂を真っ先に思い出しますが、そんな見るからにばっちい砂を家に持ち込むのも触るのも嫌なんだけど。一応、公共物だしな(笑)パクっちゃダメか。
海(最も近い海は東京湾)の砂も汚そうだし。
とりあえず、市販の砂をあらかじめ購入してみる。
川砂だって。どうせ川の砂をそのまま袋詰めにしただけだろうけど、砂場の砂よりはきれいでしょう…、きっと。
ふむふむ、盆栽、観葉植物、サボテン、山野草を育てるのに使うのね。――まさかこんな用途に使われるなんて、思いもよらなかっただろうな。
そんな訳で、砂を耐熱性のある何かに入れて焼かなきゃ。
それなりに深さがあって、耐熱性のある入れ物…中に何かを入れてオーブンで焼けるもの…。
よし、姉貴のケーキ型に入れよう!
あとで綺麗に洗えば大丈夫だよね!砂入りケーキが出来ないように頑張りますから。――まさかこんな用途に使われるなんて、思いも(以下略)
さっそく、砂を入れて、オーブンを180度、16分に設定!いや、20分もやるの、なんだか怖くて…(笑)なんか、砂はもともと湿っているんだけど、溶けるのはともかく、爆発したりしないよね?
戦々恐々としながら待つこと16分、ピロリン☆という音と共にオーブンは無事止まりました。――まさかこんな用途(以下略)
取り出して、ほかほか湯気のたっている砂に、羽根を突き刺してみる。
…燃えたりしないよね?(ビビりすぎだろ)
あっ、落ち着いて英語の説明見返したら、まっすぐ突き刺してる!全部入らないから斜めに刺したんだけど、それでも良いのか、悪いのか、分からーん…。
このまま砂が冷たくなるまで放置しましょう。ですって。
そんなこんなで、ただいま砂が冷めるのを待っています。
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←1.簡易版羽ペンの作り方←
→3.ペン型に切ってみよう→
羽の先に金属のペン先を付けたり
ボールペンを付けたのを羽ペンと称するのは反則だ!(過言)
羽ペンの作り方をレポートします。レッツトライ。
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前回までのあらすじ。
某月某日、魔狼まろりーは羽ペンを作るために、前段階として鳥の羽を一晩水につけてオーブンで焼いた砂の中に突っ込んでみた。(この作業をテンパリングという)http://marori.blog.shinobi.jp/Entry/15/参照。
それから、いろいろあって(主に、英語のHowToを読むのが面倒だった)そのまま放っておいたが、この日ついにペン先を削り出すことにした。
さて、テンパリングを終えた羽をいよいよ削る訳です。
まずは先端を斜めに切り落して、次に羽軸の半分くらいのところで平行に切る。
こんな感じかな。
なるべく自分が中心にしたいと思うところ(つまりペンの裂け目のところ)から左右対象に切る・・・。っていうけど、羽軸自体が左右対称でないという落とし穴。対処法は不明です(笑)
そしたら、次に、そのペンの中心となる「割れ目」を作る。ために、開いた羽軸の左右をぎゅっとつまんでパキリと割る。
……割れませんでした(泣)テンパリングを施した羽では出来るって書いてあったけど、これはテンパリング失敗したかも・・・。真偽もわかりません。
…割れないので、カッターで中央を裂きました。
このやり方も別に間違っている訳ではないのです。事実、他の作り方を見ても、一番初めにカッターで中央を裂き、その後でペン型に削っていく、って書いてあるところもあったのですから。
さて、気をとりなおして、その裂け目から同じ角度になるように、三角形にハサミでばっさり切りましょう。
そしたらこうなりました。
これだけでもそれっぽくなってきました。
この新しく作った三角形に内側にえぐれたカーヴを施します。そうしないと、紙に書くときにインクが大量に出てしまって、何か書くどころではなくなります。
こんなイメージで・・・。
カッターでちょっとずつ先を細くしていきます。ちょっとずつ、ちょっとずつ・・・。
さもないと、せっかく細くした先端が折れてがっかりな感じになります。↑折れた(泣)
功を焦らず、一ミクロンずつ削っていきましょう。
さて、削り終わったら、完成!間際です。
これから、微調整に次ぐ微調整が待っています。なにしろ、羽ペンなんて一発でうまく作れるほど沢山作ったことある訳ではないので、インクに浸けては試し書き、浸けては書き、良いかな? って思うまで試行錯誤。
上の写真で分かると思いますが、ペンの先端がかなり開いています。その状態で無理やり書くと、やっぱり二重の線で書けてしまう!
そういうカリグラフィー的なペンとして以外は使い物にならないので、思い切って、先っぽ数ミリをばっさり切り落として、削りからやり直しました。
なんとか、直った・・・かな。
試し書きの数々。アクションドローイングと言い張る。
・・・なんか、やっぱりテンパリングに失敗したかも・・・! テンパリングなしのときと書き味とか変わらないんだけど…!!
とりあえず、書くところがなくなったので、この辺で切り上げる。もっと切り方研究しないと、こればっかりは説明読んだだけでは、やっぱりさくっと上手くはいかないです。
今日わかったこと。
・一番必要なのは、削りの技術。
他にも色々切り方があるので、また今度挑戦してみよう。
そんな訳で最終形態↓
決して良い見本ではないので、そこのところは注意!
主流だった頃の人にも、羽ペンつくりの上手い人、下手な人がいただろうなぁ。で、羽ペン作りがうまくいかないと文字を書くのもままならない。
ましてや、写本を書き描くなんて、どれだけ素晴らしく出来た羽ペンを使っていたのかな。
そして、はるかに安定して簡単に線が引ける金属ペンの発明は偉大です。
あ、そうそう、ついでにいえば、羽ペンで線を書く場合、筆圧は限りなく低くしましょう。むしろかけない勢いで。 柔らかいので、あっという間に先が割れて二重線が引けてしまします。
そんな感じで簡単レポートでした。質問などは遠慮なくどうぞ。とはいえ、まろりもきちんと分かって作っている訳ではないのですが・・・。
あと、もっと上手いコツ、知ってらっしゃる方がいましたら、ぜひ教えてくださいませ。
ちなみに、グーグルで検索すると案外、英語で載っていますので、こちらの方をこそご参照ください。こっちの方が絶対正しい(笑)
http://search.yahoo.co.jp/search?p=how+to+++quill+pen&ei=UTF-8&fr=top_ga1&x=wrt
←1.簡易版羽ペンの作り方←
←2.テンパリングしよう←
前回までの簡単なあらすじ↓
素敵な羽ペンを作る為には、テンパリングというペン先となる羽軸を焼き締める作業が必要である。
前回羽ペンを作る際、見よう見まねでケーキ型に入れてオーブンで焼いた砂に一晩水に浸けた羽を突っ込んでテンパリングを施してからペン先を削ってみたが、あまり上手く行かなかった気がする。
そんな感じで、羽ペン作りのためのまろりの特に根拠のない仮設。
まるいち。
イメージ的に、水に浸した羽を突っ込む砂は、乾いているような気がする。
前回はオーブンで焼いて取り出したら、ほかほかと湯気が立っていた→中に湿気がこもっている。
そんな訳で、砂を乾かすために、二度焼きを試みる。
まるに。
イメージ的に、砂で羽軸を焼き締める作業に使う砂は、目が細かいといいような気がする。
どうせ川砂も余っているし、この際だから、乾かしがてら、ざるで大きな小石を取り除いてみることに。
根拠は本当にないけどね!
そんな妄想から、焼かれた砂をざる(料理用)でざらざらと動かしながら、自分はなんて時間を無駄にしているんだろうとほくそ笑みつつ、無意味で単調な作業がなんとも芸術的(笑)に感じて妙な恍惚感に浸っている内に、作業は完了。
やっぱりケーキ型(もちろん料理用)に容赦なくさらさらの砂(手触りがいい☆)を流し込んで、前回同様、180度のオーブンで約20分。
微妙な空き時間だから、放っておいた朝ごはんの洗い物をして、洗濯まで済ましておいた。こんな現実とは何の関係もない行動がちゃんと日常生活に溶け込んでいますな(笑)
で、焼きあがった砂に前日から水に浸かってた羽を突っ込む突っ込む。
→
今度はどうかな。
鴉、鳩、鴎、鳶…やっぱり何か作品ぽくなりました☆←無理やり「芸術活動」と結び付けようとしているらしい
こんなに手間をかけてみても、鴉や鳩じゃあいい筆記具にはならなそうだな。