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○なんせんす・さむしんぐ○

美術や音楽の感想とか、動物中心のイラストのブログ。

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実は一週間パリに行っていた。

 さてね、簡単な土産話で旅を締めくくろうと思います。話を整理するのは面倒なので、推敲なし、思いついた順に、断片的に。

 出発時成田は雪でした。飛行機の中、窓から見えるロシアは広く真っ白。街というものが見えない。
 が、フランスはシャルル・ド・ゴール空港に着くと、お日様がさんさんと照り、予想していたより遥かに暖かく・・・…暖冬なのだそうです。旅中、パリの平均気温は摂氏12度。……ひょっとして東京より暖かくないか…?湿気は多め。到着した瞬間は山の中みたいだと思いました。

 連日、雲もなく。旅先で雲の様子を見て、自分のよく知る東京の雲と比べるのが好きなのですが、空に見える雲は幾すじかの飛行機雲だけ。どこまで、自然を人工的に加工するのが好きな国なんだよ、フランスは……!

 夕方に到着して翌日、添乗員付き市内観光。バスで。凱旋門とかエッフェル塔とか、それっぽい所をぐるぐる。お昼は前菜、主食、デザートと出てくるしっかりしたもの。椅子の上に猫が座っていて、お店に入ったときは大混乱でした。添乗員さんが英語で「キャット!キャット!」と騒ぐのを、店員さんは「キャトル(4)?」とかのんびり聞き返していました。

 ヴェルサイユへ。……時間が押して、風のように通り過ぎた。それっぽいお部屋のみを解説つきスルーで。本当は館全体、お庭もがっつり見たいけどね…それには一日がかりでしょう。
 バロック様式のヴェルサイユは、壁も天井も家具も何もかも、とかくデコラチフな感じで、落ち着かないこと!バロック暮らしにくい。あそこにロココ時代(もっと住みよい家が流行)のマリーアントワネットを住まわせるって、無理な話だよ…。時代遅れも甚だしい…。

 ヴェルサイユで、一番しっかり見たところは、王室付礼拝堂かなー。2階からも見れたし、1階からも見れた。おまけに、オルガン演奏していました。結構可愛い音だったけど、オルガンは色々な音色を出せるストップを備えていたりするから、もっとがつんとした音とかも出せるのかも。
 あ、ちなみに、某クープラン氏はここのオルガニストの一人だよ。

 夜は、セーヌ川に浮かぶ船の上から市内観光。備え付けの日本語ガイドの訳がやばくて笑った。いや、日本語がおかしいんじゃないんだけど、感情的な仏語(例えば「なんて美しい眺めでしょう!」みたいな感嘆文とか、「夢のパリ!」みたいな体言止めとか)直訳な感じで、しかもニュースのアナウンサー風の冷静な声。……。欧州の言葉と日本語とのテンションのギャップが。
 オルセーには行かない予定だったから、オルセーの外観だけでも写真に収めようと思ったら、日没後のオルセーは、何度撮ってもぶれた(笑)

 晩ご飯も、前菜(キッシュ)、主食(皿半分を埋めるマッシュポテト&牛肉のワイン煮)、デザート(りんごタルト)で。
 昼もそうだったけど、食事を出すのが非常に遅いです。噂どおりだね。
 で、この夕飯のメニューなんだけど…誰が決めたんだこれ。キッシュとタルトって、おいー!(笑)
 フランスのこのレベルのご飯は、とっても美味しいんだけど、ヘヴィな味で、沢山食べれる味ではない。
 大半の人は、どっしりキッシュ→大量のマッシュポテト(多分、生クリームとか、バターとか入っている塩気の強いもの)&ごろごろお肉→カスタード生地のたっぷり詰まったリンゴタルトと全てを食べきることが出来ませんでした。自分も…マッシュポテトはお皿半分もいらないよ…。


 はて、翌日はルーヴルー。幸いなことに、イヤホンガイドでの解説だったので、添乗員さんが説明している間に、団体から離れて他の絵もじっくり見にいけました♪(酷)
 ドラクロワのナポの戴冠やら民衆を導く自由の女神やらジェリコーのメデューズ号の筏を初めとする暑っ苦しい部屋とか。あの時代の絵は本当にアツいねー。あ、その部屋には「ダンテの小船」(ドラさん作だったかしら?)もあって、内輪ネタで吹きそうになったことを密かに追記。*
 例のダビンチのアレとか。その正面にある、あのカナの婚宴、本当にでかかった。
 モナリザ・ルームは、日本の企業が作ったのだそうで、ああ、そうだよ、あの絵から2、3メートル離す展示法は、確かに日式だよ…。
 レオ様の絵が沢山あったのだけど、やっぱりレオ様凄いなって思ったのは、闇の中で笑うヨハネさんの絵。 自分がサロメだったとして、踊りの報酬で貰うなら、このヨハネの首がいい。それくらい素敵な絵。
 あとね、ラファエロのカスティリオーネ!

 館内解散の自由行動になったあとは、とりあえず、18世紀美術コーナーへ行きましたとも。
 途中で寄ったナポレオン3世(確か)のお部屋の再現が超面白かったです。

 ヴァトーもいたし、ブーシェもシャルダンも。ヴァトーの「シテール島の船出」もルーヴル所蔵なのよねー。
 *…以前「シテール島の船出」をグーグル検索したら、「ダンテの小船」が「シテール島の船出」と間違って認識されてしまっていた。シテール島は恋人達がいちゃつきながら愛の島へ(あるいは愛の島を)船出する絵、ダンテの小船はダンテと相棒ウェルギリウスが男二人で小船に乗って荒波を進む絵。こんなシテール島の船出は嫌過ぎる!と思って爆笑でした。
フラゴとユベール・ロベールが一緒にいるのが萌え!あと、フラゴのクラヴサン絵のキモイ猫!

 一つ一つの絵はじっくり見れなかったんだけど、さっくり見て、次の美術館、ジャックマーレ・アンドレ美術館に。
 結論。極めてよかったです。
 19世紀(18世紀かも)の個人のゴージャスな邸宅に個人のコレクションをてんこもりする、フリックコレクションタイプ。
 こういう奴は、どういう訳か、18世紀美術を集めたがる。いいところだ。

 あ、そういえば、ルーヴルに、フリックコレクションで見たフラゴの「愛の過程」、デュ・バリー夫人に受け取り拒否られた連作の、後釜2枚を見ることが出来ましたー(笑)綺麗な絵だったけど、新古典主義のね。その絵の前でにやにやしていた日本人は俺です…。

 道々、途中でアンジェリーナとラデュレという老舗お菓子屋さんのマカロンを買う。姉貴が。一口貰ったけど、アンジェリーナは軽くて、ラデュレはずっしり(マカロンなのに)。

 

 3日目。終日フリー。
 まずはノートルダムを堪能して、近くにあるサント・シャペルを堪能。どっちもゴシック様式の、ステンドグラスが有名な教会ですが、サント・シャペルの方が小ぢんまりとしていて、相対的なステンドグラスの面積が広くて、近くて壮麗。ゴシック素晴らしい!人々の信仰心が出すお布施でノートルダムを建築した腐敗しきった教会に乾杯。

 さて、サン・ルイ島を探索して、近くのサン・ジェルヴェ・サン・プロテ教会へ。ゴシック様式が一部残る新古典様式。ファサードは新古典なんだけど、一部横から飛びアーチが飛び出しています。
 意外に立派だった。というかかなり立派だった。
 初め間違えて裏口から入ってしまい、あまりの入りづらさに普通にびびりながら入りました。小さな入り口が、閉まっていて。一応、日本語の信仰を説く紙ぺらも置かれていたので、観光はOKみたいでした。
 残念ながら、オルガンは鳴っていませんでした。パリ最古のオルガンで、名前は「クープランのオルガン」。

 お次は、カルナヴァレ博物館。無料。
 結論。眼福。18世紀くらいの建物を博物館に改装。2階で18世紀くらいのロココ調なお部屋が再現されていて、可愛くてしょうがない。

 あとは、フーケのお店(アール・ヌーヴォー調)の再現とか。あー、なんか、これ写真で見たことあるよ!みたいな感想。そして、アール・ヌーヴォー調で固められたお部屋は、非常に気持ち悪かったです。その、普通に見慣れた直線や比率が使われていないので、慣れない。ほら…綺麗なお花の拡大図って気持ち悪かったりする、あんな感じ。

 お庭も植木が唐草模様に切りそろえられ、がっつり手入れの行き届いたフランス式。

 そこで見た絵が、今回パリで見た一番の名画かも知れない。B級名画(笑)
 白いベッドの上に、横たわったお姉さんの素足が、ふくらはぎから下だけ見えて、それ以外は全てぶった切られて、それしか見えない絵。
 誰が描いたかは知らないけど、お洒落すぎる…!意味深な。つか西洋人のセンスを越えています(笑)変なところでぶった切るのは日本の専売特許なのに!(過言)

 次。ドノン館。無料。個人の邸宅&コレクション系美術館。主な収蔵品は18世紀美術。お前もか。
 案外こざっぱりとして、すっきり見れました。カタログ50ユーロ。クオリティの割に高し…!
 そこで姉貴が出した結論は、「グルーズは萌え系」でした。ああ、うん、否定できない。大きな潤んだ垂れ目と、わざとらしく大げさな可愛いポーズ…。で、はだけている。腐廉恥です。

 お次は、オテル・ド・スービーズだよ!ロココ建築の代表だね!それが無料で入れるっていうんだから、行かない理由もありますまいー。
 改修中でした(泣)半分くらいしか見れなかったあるよー。
 一室は特別展で別料金。が、まろりがそこで売られていたポストカードを指差して、「この部屋は今閉まっているの?」と英語で聞いてみたところ、フランス語で「特別展示室の向こうにあるよ。行きなよ!」みたいなことを言われました。フランスはおおらかです。

 フランスはおおらかです。適当というか。
 美術館も教会も、カメラのフラッシュ禁止なんだけど……皆(特に東洋人)フラッシュ焚いていたし、それを監視員も見ていて注意しないんだよね…。どっちも悪いわ!
というか、美術品はえてしてフラッシュ焚かない方が何でも綺麗に写るけど…。薄暗い教会内でフラッシュ焚いて人を撮っても、人だけ写ってあとは真っ黒になること請け合い。

 あ、そうそう、フランスパン美味しかった。下手に調理するよりパンの方が美味じゃ…ないかしら・・・

 あ、そうそう、恒例、外国のマクドナルドのお味ですが。イギリスよりはかなりマシ。だけど、アメリカかイギリスかって言われれば、遥かにイギリス寄り。
 アメリカの味を保っている日本って凄いと思う。やっぱり遠く離れた隣の国だから?
 あと、「クロックマック」っていうクロックムッシュでもハンバーガーでもない食物がありました。日本でいうと、照り焼きチキンか…?

 夕方、ホテルへの帰りがけに、再びノートルダムへ。オルガンが鳴っていた。ものすごい大音量で、教会全体が楽器のよう。ぎらぎらした音で、うん、ゴシック(19世紀的な、ね)なロマンな音。びりびりと響いて、威圧的。なんか、神の威容!みたいな感じ(笑)

 最終日。午前中の4時間だけ自由時間があった。もったいないので、観光することにしました。
 ルーヴルへお土産を買いに。
 相変わらず、ここでも「18世紀を扱った本はあるか?」って英語で聞いてみたら、印象派な棚に連れて行かれたものだから、思わず「それは19世紀、18世紀を探しているんだけど」と言ったら、モノグラフの棚に連れて行かれ、「ここは画家の名前順に並んでいるから(自分で探せ)」と。まあ、ね、18世紀の本なんて、そう簡単にある訳ないよ…。あったらもっといい卒業論文が書けたvv(笑)
 それはともかく。
 ブーシェの画集(ウォーレスコレクション出版…)と、フラゴナールの素描の本、それと「ヴァトーと雅宴画」、仏語の本。39ユーロがセール本で20ユーロに。多分、ただ売れ残っているだけな気もしますが。

 で、ルーヴル裏手の何とか・かんとか・ロクセロワ教会へ。日曜日で、日曜日のミサをしていたらしく。オルガンが鳴っていた。がっつりミサで、気が引けて写真は取れなかった。
 一部が黒ずむほどの古いゴシック式。それを後の時代に改修した教会みたい。天井のアーチが変形の6分割(ひし形を敷き詰めた花模様みたいになっている)で、これはサン・ヴェルヴェの天井と同じ様式。  

 で、最後に粘って、ちょうど近くまで歩いてきたので、もう一度サン・ジェルヴェ教会へ。
 だめもとで、オルガンでも鳴らないかなと思ってね。
 入ったら、ミサの最中で、オルガンが鳴っていた。聖ジェルヴェか聖プロテかキリストか聖カエキリアかクープランの思し召し!(候補が多い(笑))ちょびっとだけどね。聖歌の前に10秒くらい。
 またまた後ろから入って、オルガンからはもっとも遠い位置でしたが。(側廊にずらりとミサに参列する一般の人が並んで座っていたので、とてもじゃないけど、移動できなかった。かといって、正面まで外を回るのは普通に5分くらいかかって大変。)
 が、その音色は、とても小さく、一番後ろに届くのがやっと。その辺が古い感じがして、いい(笑)音質はヴェルサイユで聞いた音に似ていたかなぁ。可愛い系の、ふよんふよんした音。円い感じのね。


 と、概ねラッキーな旅だったと思います。
 アンラッキーポイントは以下の通り。
 最終日、飛行機に乗るので、集合時間に遅れるとやばいことになるのに、ノートルダムまでの行きのバス(本来はコンコルド広場まで行くのに途中で降ろされた)はあるのに、帰りのバスは、なくなっている模様。日曜日はバスの運行が変則的、とガイドの人に告げられていたけど…まさか、帰れないとは!
 タクシーでホテルへ帰る(泣)じゃっかん慌てていて、チップ渡すの忘れた。ご、ごめ…!ケチじゃないの、サービスに不満があった訳でもないの、ただ、本来チップの習慣がないの…。

 行きの飛行機で、隣の隣(姉の隣)の人が外国人のお姉さん。多分フランス人だろうけど。
 香水が、きついよ。
 時間がたって薄れてきたなーと思ったら、付け直してきやがった!

 帰りの飛行機。窓際に座るおばちゃんは通路側へ行きたいみたい。隣のまろりに「席換わってあげようか?窓の外見たいでしょ?席換わって欲しいでしょ」と頼まれ、いらっとくる。
 普通に頼めないのか、この人は。普通に「通路側がいいので席換わってください」と頼めないのか。
 席変わって欲しいか、と聞かれれば、別に変わって欲しいとかは思わない。けど、まろりの席は真中で、前の椅子の柱が邪魔になって、足が伸ばせない席でした。13時間これはつらいなと思ったので、換わってあげることにした。
 次に、おばちゃんは通路側に座る姉貴と同じように交渉。「私、通路に出たり入ったりするから、邪魔でしょ、席換わるわ」
 だから、その頼み方をやめろぉぉぉぉ・・・。
 ついでに言えば、席を換わることによって、姉貴にメリットは1つもないことをお忘れなく。。。
 姉は、がんとして換わりませんでした(笑)結果おばちゃんは、窓も無い、通路も無い、足の伸ばせない、真中の席になってしまったのでした。

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