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○なんせんす・さむしんぐ○

美術や音楽の感想とか、動物中心のイラストのブログ。

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シャルダン展感想・木いちごの籠~Panier de Fraises des Bois~

 もう会期終わっちゃったなんて寂しいな! そんな感じで、正月早々シャルダン詣で(笑)
 実は今まで知らなかったのだけど、三菱一号館って午後8時まで開館する日は6時以降入場で割引するのね。千円で入れた。

 さて、第二次シャルダン展感想。というより、今日は一点だけ集中してみます。

chardin_panier_de_fraises_des_bois.jpgシャルダン<木いちごの籠>
 

 このシャルダン展の顔にもなっていたこの絵。確かに、他のシャルダンの絵と、ちょっと雰囲気違う感じがしました。
 やっぱり顔になるだけあって、赤い木苺が満載された絵は、その赤いという色彩だけでも華やかだなぁ。普段もうちょっと地味だけど、きっと画家はこの赤を描きたかったんだなぁ。
 例えば、白い脂肪の混じった肉の赤とも輝きが違うし、同じ果物でも紫の赤ぶどうやプラム、緑の白ぶどうや野菜、光沢のあるオレンジの銅鍋とも違う、とても特別な赤。
 いや、特別というよりいたって普通の赤なのだけど、決して押し付けがましくなく、だけど目を引く、鮮やかだけど、周囲から浮かない。これがシャルダンの調和ってやつなのかしら。

 そして、友人との会話で、美味しそうだよね。両手で掴んでむしゃむしゃ食べたい。なんて言い合っていたら、ふと後ろを向くと同時代の美術批評家ディドロ氏の批評が書いてあって、曰く
「果物の瑞々しい描写がとても美味しそうなので、思わず手を伸ばして食べてみたい気にさせる」
 ……ディドロ氏と全く同じ感想だった…! な、なんか悔しい(笑)

 それにしても、昔も今も大して考えることは変わりません。静物画って地味だけど、本当は普遍的なもので、とりわけ食べ物の絵は最強なんじゃないだろうか。
 狩猟画とか肉の絵は日本人にはあまり馴染まない気もするけど。やっぱり、狩猟の誇り高い成果物というより、うさぎの死体としか見えない(笑)
 頭では、可哀そうな絵じゃなくって、食べ物の絵だってわかっているのだけど。
 別の友人いわく、日本には古来から死体=ケガレという発想があるから、(確かに!)その辺は、ヨーロッパ人の心性と違うのかも。

 しかしあの木苺、実際に口に入れたら実は美味しくないような気もする(笑)
 大体、ああいう野性的な果物って、刺すような酸味だったり、微妙にえぐかったりで、見た目と雰囲気だけなものです。
 あ、そうか生食じゃないのか。何かジュースにしたり、お洒落なコンフィチュ~ルにしたりするのかしら。そういえばお土産ショップにも高そうなフランス舶来のジャム売ってたな。

 美術館を出て、東京駅で、ふと目についた自動販売機で取り敢えず、無性に飲みたい気がして、アセロラドリンクを買ってしまった。赤かったから(笑)
 いつもより美味しい…という訳もなく、まあ、可もない不可もない予想通りのアセロラ。

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