忍者ブログ

○なんせんす・さむしんぐ○

美術や音楽の感想とか、動物中心のイラストのブログ。

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

ありがたき拍手お返事、とついでにロマン論

2月14日拍手お返事
るー様>
 こちらこそはじめまして、コメントありがとうございました!最近は手抜きで無背景のキャラクターものばっかり描いてしまっています(笑)
 色々な作家さんの画集、素敵な本ですね。絵本も興味は大ありなのですが(とくに19世紀あたりのロマンチックなもの)、集め出すと膨大にきりがないので、自重中です(笑)そんな訳で、絵本はほとんど読まないのに、画風だけはなんとなく絵本っぽくなってしまいました。
 ぜひ、またいらして下さい♪こちらからも、また素敵イラストや写真を見に、伺わせて下さいませ。

2月15日拍手お返事
三郎丸氏>
 コメント感謝です!
 中二ですって?よくぞ言ってくれました!その言葉を待っていたよ(笑)
 「大鴉」におけるまろりーの抄訳は大きな犠牲を払ってわざわざ俗な言い回しに終始しましたが、というのも難しいと敬遠されがちな文物の所謂中二的なエッセンスを出したかったからなのです。
 ゲーテ氏は「絵画に文学に、高尚で結構なご趣味ですね、と人は笑うけれど、私はそれらを通して、最も世俗から離れた感覚と、最も俗な感覚とを同時に味わっているのである。」みたいなことを言っていたのですが、そういう感覚を呼びたかったのです。
 三郎丸氏のその言葉で、多少なりとも効果を上げることが出来たのではないかと、自惚れられます。

 さて、また語の用い方が変だと言われそうだけど、まろりーにとっていわゆる中二病は、ロマン主義とほぼ同義です(笑)ロマン主義というものを現代のスラングでいうと中二病と呼べるというか。類義語でルネサンス的には「憂鬱気質」とも言えるかもしれない(笑)
 再びゲーテ氏いわく、「ロマン主義は不健全で病的であって、否定の精神である」とのことですが、私もけっこう同意見です。アルカディア発言といい、ゲーテとは本当に気が合います。もし現代にゲーテがブログなりツイッターなりやってたら、絶対フォローします(笑)
 で、このロマンなる否定の精神のなかでも「大鴉」中の「Nevermore.」の執拗な否定はとびきり素晴らしいと思います。
 ドラクロワ、ショパンといったロマンチック連中と並んで、ポーもばっちりロマン主義時代の人なので、中二病っぷりも堂に入っています。大体、この時代のロマン主義者は理論武装までして標準で中二病だし、古典主義を標榜してても割とロマンに毒されてしまって痛くて可愛そうなくらいです。画家ならモローとかだいぶ痛い子ではないかと。
 もう少し言わせてもらうと、ロマンというものは、人間的で誰でも共感しうる薄暗い感覚であり、かつ華々しい毒でもあって、上手く使えばどんな表現にも素晴らしい「陰影」を施し、「翳り」や「深み」を出すことができると思います。
 一方で、出来あいのスパイスのようなものなので、下手に使うとあっという間に凡庸で何度も食わされて飽き飽きした陳腐な表現になり果てます。この上、下品だったり、全くの無趣味だったりするともう最悪で、存在自体が罪だとさえ時にまろりーは思います。
 ロマン主義は、啓蒙(enlightenment)の光の中で、敵対した故に逆にはっきりと見えてしまった闇なるもの、とさる美学の本には書いてありまして、これはどっぷり啓蒙の世紀に軸足を置くまろりーにとっては、人生訓および座右の銘です(笑)ゴヤの黒い絵なんかを見ると、もうその通りだと思うの!(笑)
 このロマン思想なるものは、自分は世界の異物だと捉えることで、世界に対して精神的に自由でいられる反面、絶対的な拠り所を失って、どうしようもない孤独に陥るのです(笑)そんな状態に自ら陶酔し、それでいつつ、世界との同化も夢見たりする、どうしようもない不健全さ。
 所謂まったくの中二病は、孤独の精神を招いたのは自分なのに、それに気付かず、他人や世界のせいにして不平不満を述べて、また世界とはそのようなものである、と訳知り顔で喧伝し、それがまた自分だけが知っている特権と勘違いしている、というのが私の認識。その陶酔に芸術的な洗練が無いと、痛々しくて見ていられない。
 さて、こうしたロマンに病み憑かれて毒を不必要に撒き散らしている状態をまろりー自身は「悪しきロマン主義」と勝手に呼びます。
 ロマンは、精神の自由の許された現代日本人には、大なり小なり誰にもある感情かと思いますが、中二脱却のための大人の対応としては、この机上の空論的な死だの孤独だの絶望だので幼稚な方向に心捻じけさせる悪しきロマン主義をば飼いならして御すべき必要があるかと。そうでなければ、前ロマン時代に倣ってロマンを薄々感じながらも嘘の光で見ないよいうにすべきかと。(ちなみに、御せなくなってロマンに食われた最も有名で劇的な人間が、大人気のファン・ゴッホ氏であると思います。で、ゴッホの絵に大挙して黒山の人だかりを築く状態に、いささか疑問を持ってしまう、という訳です。)
 という訳で、まろりーがどうしようもないロマン主義者として、ポーの「大鴉」は見事に御してあると感じてお気に入りなのです。

拍手[0回]

PR

Trackback

この記事にトラックバックする

なんせんす・さむしんぐ

なんせんす・さむしんぐ
お越し頂き有難うございます
美術・音楽の話題を中心に 時々イラストを描く当ブログ
お楽しみ頂ければ幸いです。
道に迷われましたら、まずは
「ご案内」にお進み下さい。

忍者ブログ [PR]