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エステ荘の庭園をめぐる妄想

Jean-Honore Fragonard: Life and Work  1988 著:Jean-Pierre Cuzin  出版社:Harry N Abrams
 
 上記のフラゴナールの図版をつらつら見ていたら、ある一点の4cmほどの白黒図版が気になりました。

<View of an Italian park, called The Great Fountain at the Villa d'Este or The Fountain of Arethusa>
c.1762-63(?) 58 x 72cm 個人蔵
油彩カタログの中の276ページ。

 あれ、これって・・・

 
ユベール・ロベール<The Oval Fountain in the Gardens of the Villa d'Este, Tivoli>1760 National Gallery of Art(Washington, D.C.)

 ウィキペディアで、ロベールの素描として載っているこの絵…

 …反転させた構図じゃないか!?

 念のため反転させたフラゴ画像と横並びにしてみる。

因みに実物。まろりー撮影。←無駄に自慢げ

 フラゴナールとロベールは大の仲良しで、イタリア留学中に一緒になって素描して回った間柄です。
 特に素描作品についていえば、しばしば混同されてしまうほど画風が似通っている程です。
 もちろん、ティヴォリのヴィラ・デステへも連れだって出かけていき、素敵な絵の数々を今に遺してくれいています。
 だから、同じような構図の絵があっても全くおかしくないし、逆に仲良しエピソード妄想して、楽しくなってきます。

仮説という名の妄想いろいろ
1、フラゴとロベール2人で並んで噴水を素描した。で、フラゴの方が油彩にした。
2、ロベールの素描が気に入ったので、その構図いただき!とフラゴが反転してぱくった。
3、反転しているから、版画作品を模写?
4、フラゴの油彩を羨ましがってロベールが模写。って、一応制作年はフラゴ油彩のが後のようです。
5、まさかの帰属間違い。いやいや。

 1番や2番だったら仲良しエピソードいいなぁ。という妄想。
 え、だって生き生きとした素描の名手、ロベールと色彩の天才フラゴナールの夢のコラボだよ。夢すぎる。←とりあえず夢です。
 ロベールとフラゴの共作ドリーム…(二度目に言いますが妄想です)

 なぜなぜ、どうして同じ構図なの?どこかでこれに言及してる研究書とかないの!?絶対どこかにあるだろう。 

 と思って、ウィキペディアに「さらなる情報は美術館のサイトで!」ってリンク先をのぞいたら、 ローザンベールさん著の「Les Fragonard de Besançon」って本に言及あるよ、ってさ。
 おや・・・なんと偶然、この本フランス土産とて持ってる☆読んでない☆

 これは運命だね。

 読んでなくても図版は見てるから覚えていていようよ自分…という忸怩たる自己つっこみが自分で痛いです。…いや、まあ記憶なんてそんなもんだよね。かなり前に買った本で、エステ荘画像もそんなに熱心に見てなかったし…言い訳言い訳。

 後者カタログはフランス語で書いてあるから、気合い入れないと読めないので(英語だってすらすら読めるわけでは決して…)、今度読むよ。
 答えが書いてありそうかも知れない。

 図版だけちらちら見ると、作者不詳となっているけど、いくつか同じ構図でヴァリエーションがあるようだ。
 やっぱり人気はあったようです。このロベールの素描、綺麗だもんなー。いいよね、この絵。大体、ロベールのこの飛ぶようなライヴ感あふれるチョーク使いが素晴らしい。
 もうエステ荘がピクチャレスクで素敵過ぎる。 

 あー1988年のカタログでは、フラゴナールの油彩は個人蔵となっている。どこの個人かしらないけど、ネットでもいいからカラーで公開して下さいこの野郎ー!カラーで見たいよ。
 あるいは、どこかの美術館にすでに収蔵されてるとか。

 という訳で、エステ荘の庭園をめぐる妄想でした。

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