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○なんせんす・さむしんぐ○

美術や音楽の感想とか、動物中心のイラストのブログ。

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楽器と動物がいかに美しいか

以下、携帯で書いていたつれづれ。

 楽器を見る楽しみは、彫刻を見る楽しみに似ています。
 また彫刻を見る楽しみは、同じ実用性のない立体物である動物を見る楽しみにも関連します。

 動物は、ただ可愛い、格好いいもそうけど、生き残るための体の機能とデザインも美しい。
 同じ鳥でも、アマツバメは、空を効率よく速く楽に飛び続けるために、空気抵抗を生む脚は歩けないほど極端に短く、翼は空気抵抗の少ない細くて先が尖った、揚力の大きい長くデザインされた翼を持つ。
 森林に棲む猛禽タカは枝の入り組んだ木々の間を高速で飛ぶ。ために尾羽が長く、舵・ブレーキがよく利くデザイン。
 スズメなどの小さな鳥の翼は幅広で短く先が丸い、逆に空気抵抗の大きなデザインで、その機能は初速に優れ小回りの利く飛行のため。
 地面をよく走るツグミは足が長く、木の上で蜜を吸ったり実を食べるヒヨドリの嘴は細長くて、地面の米粒は拾いにくい。
 音を起てないで飛ぶフクロウの柔らかい翼。羽ばたかないで飛ぶ海鳥の長い翼。自身をアピールする多種多様な飾り羽。
 鳥だけでなく、そんな風に動物のデザインは、変化に富んで目に楽しいのです。

 楽器もそう。様々な音色のための様々なデザイン、操作の効率性を追求したデザイン、機能とは直接関係のない飾りや模様。それらを見るのは何とも楽しいことです。それに動かして音が出るのだからやっぱり楽しいことです。
 さらには人間が作る以上は、コンセプト、つまり人の思いも混じる。思いの表現が目的ではないから、「芸術的」な立体造形作品のように明確ではないし答えもないけど、それを勝手気ままに考えるのもいい。
 とくに、鍵盤楽器に描かれた風景画は、音楽がそういう世界と繋がっていることを象徴しているし、もっと実を取って、格言風に文字を書きもします。例えばそれが楽器のコンセプト。故に、(風景も格言も非常に伝統的で、形骸化している恐れもありますが)そういう楽器の持ち主はそのコンセプトに無関心でいてはならないとも思います。
 現代の一般的な誰もが思うグランドピアノ、一見装飾の無いあの楽器だって、今はそれが余りにも普通になってしまったから、分かりにくくなってしまったけど、漆黒の鏡のような外観にも、やっぱりコンセプトがあったはず。

 ようするに、楽器と動物は芸術愛好家にとって、鑑賞する理由があるという話です。

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