大分、日が開きましたが、実は、美術展にはもう1つ行っているのです。
えーと、こちらも東博は表慶館で開催の「フランスが夢見た日本」フランスのジャポニスムテーブルウェア展。いちおうかのオルセーからやってきた。
結論から先に言えば、直近に見た展覧会の中では一番満足!やっばいよかった。1000円の入館料も妥当。
内容は、近代フランスの食器の模様に日本の意匠を殆どそのまま写したものがあるので、その証拠に北斎漫画などの元ネタも一緒に展示しますよー、って感じ。
前半にセルヴィス・ルソーっていうシリーズと、後半でセルヴィス・ランベールっていうシリーズを紹介しています。間にルソー・サービスがバカラのグラスとかと一緒にテーブルにセットされている素敵な再現。
セルヴィス・ルソーは量産品気味で、皿に置かれた意匠はそれぞれあまり関係なく独立しています。とりあえず北斎描いとけ!みたいな感じ。まあ、実用向けではあるんだけど。
お皿のふちに目騙し的に蟻さんなど昆虫が描かれていたりするのが洒落ているのか、気色悪いのか。お皿に虫の絵はやめようよ…!
鶏や鴨の絵も描かれていて、ああ、この上に鶏肉を置くんだろうな、って思ったら案の定しばしばそうしたらしい。ヨーロッパ人は直ぐに動物=食材って発想する気がします。16世紀のオランダの狩猟画とかさ。ただの妄想。
で、なにより良かったのが、セルヴィス・ランベール。
アンリ・ランベールという装飾画家が描いたシリーズで、丁寧な絵付けの高級品。使う目的よりも飾りのが重点置かれている感じ。
意匠はやはり日本の版画からで、暁斎のが多かったかな。暁斎も洒落っ気たっぷりで素敵なんだけど。
意匠、筆致、雰囲気はほとんど完全に日本。日本人も唸る日本風。なんだけど、色彩がふんわり洋風で、とってもみずみずしいのです。やっぱりジャポン最高ー。
アンリ・ランベールだけが載っている図版があったら、買うね。ないだろうがね。
で、で、展示ケースの置き方も好きなのです。
表慶館の内装は、白い壁に薄い萌黄の窓枠。そこにヨーロピアンなピンクのケースで、その色彩が目に快く。空間としても成功していると思うのです。んー、やっぱり表慶館好きだー。明治の洋館ラーヴ。(大正はに微妙なくせに)
まあ、お皿自体の値段の差(多分)=クオティの差もあって、ポストカードはセルヴィス・ランベールものばっかりだったんだけど、4、5枚買っちゃった。
かなり好きだった、ポストカードになってたらぜひ欲しかった、水辺に立つ鷺のお皿の絵は、やっぱりポストカードになっていなかった。あと、松に栗鼠図。畜生ー。
ついでに法隆寺宝物館に、実は初めて足を踏み入れた。
外観がMOMAっぽくて格好いい。建物に気合いが入っていていいよ。
最初の部屋の小さな奉納仏がやたらめったら規則的に並べられた空間は不思議で面白かったな。光背ずらりも楽しい。資料保護のためすんごい暗いけど、その暗さが、博物館然としていて。
エントランスから見える、景色も結構素敵なんだ。あの和風な門(名前忘れた)と横からみた表慶館の見えるのが、素敵。
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