六本木は新美のウィーン美術史美術館展に行ってきました。サブタイトルは「静物画の秘密」
出品作品は75点で1500円。ちょっと高いかなーと思ったけど、まあ、友人と行ってみる。
なんだか、来ている絵自体は全然悪くないのに、あんまり良い展示ではなかったと思う。
何が悪いのか、なんとなく釈然としない感じで会場を後にした訳ですが、内容について話し合っていくと、
「そもそも何を見にきたんだっけ?」
って結論になった。
それくらい、テーマの軸がぶれていたんだと思う。
冒頭で、ウィーン美術史美術館の立派な美しい建物の大きなパネルを出して、「ウィーン美術史美術館!」って感じだったのに、本編からはオランダのよくある静物画が並ぶ。ウィーン美術史美術館展という割にはウィーン美術史美術館らしさが感じられない。ただ、ウィーン美術史美術館から借りてきた絵ってだけ。
たぶん、現代風の白くて明るくて広い空間が、雰囲気を邪魔していたのかな。
で、だからオランダの「黄金時代」的な静物画の展示なんだなーと思って順路に沿って見ていくと、突然イタリアにとんだり、スペインに行ったり、17世紀の絵の間に18世紀の絵がまぎれていたり。まあ、当然各国各時代の絵があって当然なんだけど、なんか脈絡ないんだよね…。
それはそれで、まだ描かれた画題ごとに分けられた「静物画」だったんだけど。
そうこうして見ていくうちに、テーマは静物画じゃなくって、いつの間にか風俗画に移っていき、最後はベラスケスのかわいい女の子の大きな肖像画でどーんと終了。
・・・静物画の秘密はどこへ…!?
一応、風俗画に描かれた静物によって、その絵の意味内容が強調され補助される、みたいな説明で、静物画との関連を持たせているつもりなんだけど、・・・静物画の秘密ってほど、秘密じゃない…けど、これがサブタイトルの「静物画の秘密」だったんだろうか・・・?苦しい。
うーん、静物画はただ描かれただけじゃなくって象徴する意味があるんだよってだけの展示だったのかな?
これ、誰が企画したんだろう。本当に学芸員の仕事かしら?東京新聞主催らしいけど、何だか新聞の文化欄とかに1ページ挟まれている美術品紹介の記事のよう。
良かったところは、何年か前、都美館でやった「黄金のオランダ・フランドル絵画展(みたいなタイトル)」でやってきた何枚かの絵に再び出会えたことかな。日本に居ながらにして海外の同じ絵が2度も見られるなんてね。
いや、やってきた絵自体はどれも素敵なんだよ?イタリアロココの静物画は美しかった(笑)
だけど、ウィーン美術史美術館展というには弱いし、静物画の秘密展というにも弱い。