やっぱりフラゴナール最強だなあと。(笑)
フラゴナールがひたすら格好よかった!
感動で泣きそう。
実際周りに誰もいなかったら泣く。
ジャン・オノレ・フラゴナール〈嵐(ぬかるみにはまった荷馬車)〉
下から丘を見上げると、ぬかるみに車輪をとられてしまっている大きな荷馬車。その向こうに仰ぐ大きな空は、嵐が過ぎ、曇りと晴れのちょうど中間点で、暗く分厚い雲と、晴れた切れ目からの鮮烈な光が差しています。
荷馬車は牛が引っ張っているけれど、赤い服のお兄さんと仲間たちが一生懸命後ろから押して何とかして斜面のぬかるみから抜け出そうとしている。
重たい荷馬車と斜面とぬかるみの他に、前からの強風がお兄さんの邪魔をします。嵐の名残の風で黄色い布が逆光に翻り、白く輝く雲と鋭い陰影のコントラストをなしている。この色は空を被う青灰色のトーンも引き立ててもいます。
さらに、羊の大群が、後ろから追いかける人や、手前の犬の吠えるのも構わず、丘を駆け下りてきます。
さらにその脇を何頭かの牛が導かれていく。
ゆっくり画面の向こうへ行こうとする牛と荷馬車、勢いよく画面の手前に来ようとする羊たち。ここでも対比を効かせている。
お兄さんたちは頑張っていますが、けれど、女の子たちは荷馬車の上にのんびり座ったままで、どことなく閑かな田園の雰囲気があって、光とあらゆるのものの動き(目に見えない大気まで!)があるドラマチックな一方で、微笑ましくもある。
嵐は去ろうとしている。多分、そんな安堵感と荷馬車が動かなくなってしまった事件と、羊のもたらす牧歌的な混沌が、絶妙です。
いみじくも、ゴッホは17世紀オランダの画家ハルスに対して、「デッサンと等価の色彩」と評しているそうですが、このフラゴナールもまさにそうで、迷いなく置かれた色とりどりの‘絵の具のしみ’がそのまま、犬や羊や雲や光や風になっている。
雲の一番明るいところの白は、絵の具を盛り上げてあって、それが光の輝きとなっている。
下から荷馬車と空とを同時に見上げるというお洒落な構図。結構フラゴナールはこの視点だけでもダイナミックな構図を気に入っているようで、時々風景画で繰り返している。〈丘を下る羊の群れ〉
上にあげた西洋美術館のフラゴナールも、ちょっとテーマがかぶっていたり。
ともかく、色も構図も明暗のコントラストもさりげない奥行き感と全てが格好いいの一言。フラゴナールの天才の煌めきが本当に眩しい。フラゴナールの天才の煌めきが眩しい。フラゴナールの煌めきが眩しい。あーこの絵をそのままお持ち帰りしたい!
全体の情感と色彩のトーンだけで、描かれたモチーフに深い寓意的な意味などは特に無いと思うのですが、しかもフラゴナールはモチーフを目の前にしてリアルに描いたという訳でもなく、要するに、もうほぼ音楽的でもあるよね。
実際の音声は犬と牛と無数の羊と大きな鳴き声と、お兄さんの「せーの!」みたいな掛け声と、強い風の音で騒がしそう。
この絵、いつまでも眺めてられるわー。
ということで、感動のあまりの自分の記憶の定着を図るとともにフラゴナールの宣伝でした(笑)
こちらのコメントでは初めてになります。
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