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○なんせんす・さむしんぐ○

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読書日記と5月3日拍手お返事

 最近の読書は自分でなかなかのチョイスだと思う。
・「オシァン」。18世紀末に大流行し、その後のロマン主義者の心象風景に多大なる影響を及ぼした、古代ケルトの歌。
 ほぼ毎ページに「亡霊」という単語が出てくる陰鬱さ。ヒースの茂る荒涼とした原野、荒々しく吹きつける山風、激しく泡立つ灰色の海、厚く垂れこめる叢雲に走る稲光、雷に焼かれて丘に立つ焦げた樫の木、病んだ月光と亡霊の放つ仄かな光。そういった世界観の中で、老いて視力も衰え剣の取れなくなった首領オシァンが、亡き息子オスカルの許婚マルヴィーナに昔を偲んで語った、という設定。愛する人を追って戦場にこっそり武装してついていってしまう美女あり、「勇士たちのぶつかり合う激戦の轟きは、嵐に現れる一千の亡霊の絶叫のよう」という時々かなりいっちゃった比喩も魅力。比喩の方が分かりにくいし! 面白いけど3ページで眠くなるのでなかなか読み切れない。
・「ライネケ・フックス」。ゲーテ著。良い政治をしているつもりで実は身勝手な王様ライオン支配のもと、さかしい悪党ライネケキツネがのさばり、善良な者や弱者がどんどん貶められる動物物語。ゲーテがフランス革命あたりの不安定な政治情勢のもと、上手く世渡りする悪党がのさばる当世の宮廷にあてこすって翻訳・翻案したという中世のイソップ風のお話。中世ものより言葉が明瞭・整っていて面白い。「悪い奴は不当に成功し、悪い奴はいなくならない。」という、夢のイタリア旅行から現実に戻ってしまったがっかりゲーテのメルヘン逃避行(違)本当、ゲーテとは気が合うよ。
・「香水―ある人殺しの物語―」。未読。舞台は18世紀半ばを過ぎた頃、ようやく今のようなフラワーベースの香水が使われ始めた時代。天才調香師が自ら殺してしまった恋人の面影を求めて、美女の「香り」を採集し究極の香水を作る――。という話かと思う。以前、「パフューム」の名で映画化されたものの原作。

 あああ、読みたいもの適当にあさったら、結局全部18世紀末で揃ってしまった。18世紀末ってさ、こんな時代だから、「ヴィジェ・ルブラン展」だけじゃ物足りないよな(笑)

マコト様>
 返信ご不要とのことですが、勝手にお返事しますー(笑)
 でも、フランス語はさすがに英語より使い難いので、最終手段です。英語で駄目ならひょっとして?みたいな…。
 大きな図版のデジタル取り込みは、三脚を使って真上からデジカメ撮影推奨です。大体の美術図版はてかてかした紙なので、光の反射を写しこまないよう自然光で撮るといいです。あと、本の歪みを最小限にするため、透明ガラスでおさえたり、図版のない方のページを直角に立てたりとか。
 ただ、古い印刷はやっぱり不満ですよねー。近年の印刷技術の向上は本当素晴らしいです(笑)美術の本は高いしでかいし重いし、立派なのはそんなに簡単に買えないですよ。
 色のくすみくらいなら、本物がそんな色味かどうかは置いておいて、やはりデジタル編集で彩度アップなんていうクリエイティヴ(笑)なことも。
 実は、私も普通の「歴史」はちょっと苦手だったりします。もうちょっとまじめに「ベルばら」読んでおけばよかったと思いましたよ(そこか)
 例えば、地方に貧乏貴族がいる一方で、ヴェルサイユに勤務する都会派?の貴族もいて、ヴェルサイユの建築部みたいな部署なんか、文献では結構忙しそうでした。どんどん老朽化するヴェルサイユ宮殿の限られた予算内での補修、ヴェルサイユに住む他貴族(王様から部屋が与えられるので、自分勝手にリフォーム出来ない)の要望への身分に配慮した対応、無断リフォームへの対応、迷惑な隣人を何とかしてくれなどという文句、そもそも政治関係なんかを考慮してのヴェルサイユの部屋割の管理などなど、部長は大活躍&高給取りな一方で、かなり煩雑な仕事っぽかったです。しかも今みたいにパソコンのない時代…。
 やっぱり、優雅にお金持ちに暮らす為には、おべっかや媚びへつらい、社交なんかそれなりの努力は重要だったみたいです。優雅だけど人間的でない、というのが王様近くの貴族の暮らし、という印象です。

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