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○なんせんす・さむしんぐ○

美術や音楽の感想とか、動物中心のイラストのブログ。

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夢日記~川下りの冒険~

 いつものように、まろりーの夢は定石どおりのべたべたな展開を見せます・・・。


 仲間4人でボートで川下りの旅に出ました。
 下流は果ての見えないほど真っ直ぐ、幅も遥かに広がる大きな川、流れは速くなく、岸辺には葦が生え、朝焼けの空、金色の空気のなかで、のんびり談笑などを交わしながらの出発です。
 途中しばらく行くと、靄のかかった上流から騒々しい陽気な音楽が小さく聞こえて来て、段々大きくなり、やがてぼんやりと、それからはっきりと、音楽の主が姿を現します。
 正体は骸骨頭のカラベラ・マリアッチ。カラベラというのは、南米でお盆の度に甦っては大騒ぎする生ける骸骨。派手なソンブレロを頭にかぶり、派手な布を肩に掛け、派手な帯を腰に巻き、アルマジロのギターを掻き鳴らし、ヴァイオリンひいひい言わせ、曲がったトランペットを吹く、も愉快だけど不気味な連中です。
 彼らと共に、あたりは靄がかかり、靄の中に彼らがいます。
 そんな陽気な死人連中の乗る船が、川の流れに流されるまま、我々の舟に近付いてきます。
 あまり関わらない方がいいと逃げてみたら、行く手に板を浮かべただけの簡単な浮き橋があって、我々の舟はそれに引っ掛かってしまった。仕方なく、舟から浮橋に降りて舟を持ち上げて橋を越えさせようとしている間に、カラベラのマリアッチがすぐ横をゆっくり、いかにも死者の舟といった様子でこちらに無関心にすうっと通り過ぎていく。
 顎のかたかた言う骸骨の顔は、常に陽気に不気味に笑っています。舟で音楽を鳴らしながら死んで、魂を無くしてもなお鳴らし続け、そのまま白骨化してもまだ鳴らしているようです。奏でる音楽は愉快ですが、機械仕掛けのはりぼてのように動きは硬直しています。
 段々と、愉快な音楽は川下に小さくなって、カラベラ達は靄の向こうに滑るように行ってしまいました。
 それからしばらく、何事もなく川を下っていくと、少しずつ川幅が狭く、流れが速くなり、静かで舟の進む音しかしなかった水音も、騒がしくなってきました。
 流れはどんどん速度を増し、急流から激流へと変わっていきます。と、前方に流れを直角に遮るような断崖絶壁。崖は激しい流れに絶え間無く削られて、大きくえぐれています。
 みるみるうちにボートは崖に近付きそのまま激突するかと思いきや、舵をきって崖と平行になっていた舟は、崖にぶつかり勢い余って上に昇る水の力で、岩壁を川底にして横ざまに滑り、転覆するも、破壊を免れたのでした。
 崖を過ぎると嘘のように広く穏やかになり、幸い溺れずにすんだ。
 また下ってゆくと、ようやく元の場所、つまり舟が出発した葦の茂る桟橋に戻ってきました。夕焼けの金色の空気のなか、無事を祝い、仲間と別れました。
 帰り道、見知った村人に会いました。
「おい、」
「やあ。」
「今まで5日間も何処をふらふらしていたんだ?」
「5日だって? ふうん、一日も川にいなかったけど、こちら側ではそれくらい経っていたか。」
 川はいわゆる異次元で、普段暮らす世界とは時間の流れも異なることをすっかり承知していて、村人の質問にも驚きません。
「以外とずれていないね。5年じゃなくて良かった。」
 そんな風にして、夢の中で夢から覚めると、自分は湖の岸辺近くをぷかぷか浮かぶボートに木漏れ日を浴びながら寝そべっていて、隣に奥さんが寝息をたてている。
 深いエメラルド色の大きな湖で、鏡のように四方の濃緑の森を写している、この辺り見える限り一帯は自分の土地で、ささやかな家が湖畔に建っています。
 昔はあんな大冒険もしたなあと、妻の寝顔を見ながら懐かしく思うのでした。

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