うらわ美術館に行ってきました。
テーマはルーヴル美術館の版画。……版画なの? ルーヴルってあんまり版画で主張している感じがないというか、
写真の無い時代、あるいは今ほど鮮明でない時代。
ルーヴルにはそんな版画や銅板画の原版を収集していて、
その名画の複製版画を、新たにこの展示の為に刷ったものを含め、
そう、銅版画。
百年前の原版で、現在も百年前とだいたい同じ画を得られるもの。
大体というのは、本来柔らかい銅版はプレス機で刷る度に版が磨耗に潰れていくからで、現代ではそれを防ぐために、表面を薄く鉄でメッキしてあるのだそうです。へええ、そんなハイテク?な裏技があるんだなぁ。
さて、版画というと多少マニアックかも知れませんが、
「創造性の無い」複製版画だと侮るなかれ、
どれも素晴らしい再現率でしたが、
常に油彩の元ねたと比べることで、制約の多いはずの銅版画が、
因みに、
大胆な筆致のまさかのフランス・ハルスとか。フランス・ハルス〈ジプシー女〉
銅版画は、点と線の白黒で表現しなければならないので、
これはかなり感動した。
しかもあれです、版画というのは、
ロココ絵画のハレーションぎみの輪郭の柔らかさだとか遠景のぼけ
ヴァトーのルーヴル版のシテール島の船出(
近現代になると、そもそも絵画が平面的になってきて、
レオナール藤田とか、本人が版画書いたとしか思えない。
いや、もう写真印刷の技術とか使ったりするのかな? それとも完全に手描きの模写なんだろうか…分かりません。
先に版刻師の詳細が分からないのが惜しいと言いましたが、
1人名前をはっきり覚えて帰るほど気に入った人がいて、
ルロワさんは、
かなり銅版画離れした、本物とみまごうばかりの、
書き直しの跡まで写している!
気になって「Alphonse Leroy」などでグーグル検索を掛けてみたところ、
そうしたサイトによると、技法は「クレヨンマナー・エッチング」
どちらも詳細は知らないのだけど、クレヨンマナー=
スティプル・エングレーヴィング。。。
どちらも多分、細かい棘のたくさん付いたビュランやローラーで、
この展示でも多分、これらの技法で刷られたものだろう。
割に安価で不特定多数の人に向けたメディアたる銅版画。
そのような大衆的なメディアとしての役割は、
より表現力を増すための数百年の工夫というか執念の一端が複製版
しかし銅版画って本当に奧が深い。
銅版画に不可能は無い。
銅版画の無限の可能性を感じられました。