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○なんせんす・さむしんぐ○

美術や音楽の感想とか、動物中心のイラストのブログ。

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ニ閑人水差、東北のお宝

 外食に出るより、簡単なご飯を作ったほうが早くないですか?
 という持論の元、引き篭もりたい一心で、晩ご飯は例によってオムライス。結構上手くいった!塩加減も良い感じだし、綺麗に包めた☆しかし、ケチャップライスを作りすぎました。二人分は残っています。…これは、明日の朝もオムライスだな…。

ニ閑人1ニ閑人2.jpgニ閑人3.jpg

 それはともかく、この写真についてご説明しましょう。

 ニ閑人水差。
 二人の暇な唐子が暇なことをしている、という水差。立派なものではないし、お宝鑑定団に出すような代物でもありません(笑)
 特に目的もなく、井戸の中を覗き込んでいる二人。ゆるーい顔です。蓋の模様は周りの景色の反射かしら。ついでにつまみの部分が水に浮かぶ鳥っていうのも素敵。ちなみに、蓋の裏側には桃が描かれていておめでたい。いや、中国風の記号なのかも。
 本体の部分は、花鳥画とか、碁を打ったり鳥と戯れたり舟遊びをしている中国人。

 何気なく何の意味も無いテーマと、この余裕が好きなのです。牧歌的だとか、アルカディア的だとか、そんな雰囲気は、ご存知の通りまろりの大好物な訳で、普段使いの道具ではなく「愛用」はしていないのですが、まろりーのお気に入りの一点。

 何故、まろりが箱の真田紐を結び直せなくなる危険を冒して(笑)わざわざこれを押入れから引っ張り出したかというと、全ては先日お会いした辺境仲間の国粋主義的攘夷論者、三郎丸氏のためです。ある意味で子供好きの三郎丸氏に唐子な写真を見せるという約束を思い出したもので。
 で、先日は三郎丸氏と世田谷美術館の平泉展へデート。簡単に感想を言えば、むら無く何となく面白かったな。
 お気に入りの品は、紺地の紙に金銀の文字と絵が書いてある美しい、巻物(お経?)あまり書道の美は解さないまろりーですが、紺地に浮かび上がる金と銀のきらきらした楷書の文字が、色も綺麗なら、字の絵の具の溜まった止めだとか払いだとか形がひたすらに美しくてね。リズミカルかつ正確無比な楷書体で、気持ち良い。
 あとは、天上の鳥、迦陵頻伽と、それを模した能装束の迦陵頻。三郎丸氏曰く、カリョウビンは子供の舞う踊りだそうですが、背中に羽背負って、オレンジの服で、脚伴?が縞々で可愛いな。
 って、肝心の平泉の有難い仏様は見てきたのか、って言われそうなので、仏像についても。
 東北の方の昔の仏像って・・・そういう美意識なのか、単に技術がアレなのか、すごい質朴です。こう、手の造形の神経の行き届いていない感じとか、衣紋の掘りががたがたなところとか、詰めが甘い。無骨で、京都の貴族にははんなり鼻で笑われそう(笑)代わりに形を省略して、プリミティブな感じ。衣紋を筆で描いて表現した仏像もあったあたり、やっぱり見た目の洗練やリアリティは求めていなくて、あまり元々の木の形に手を加えたくなかったのかも知れません。顔の無い八幡神像とかもあったし。

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ロスコを観に佐倉の美術館へ

 人によっては浴びるように酒が飲みたいときがあると思いますが、とりあえずまろりーは浴びるように絵を見たくて、矢も楯もたまらず、遥かなる佐倉市は川村記念美術館にマーク・ロスコ展を観に行ってしまった訳です。
 簡単に言えば、赤や黒の塗ったくられた大きな絵がひたすら壁に掛かっている、そしてそんな絵の掛けられた空間そのものも味わう、そんな展示です。

 以下感想。

 結論から言えば、60点かな(上から目線)
 どちらかといえば具象画を好むまろりーですが、抽象画のロスコが悪いとかじゃなくって、ただ単に、美術館側とまろりーの解釈違い。
 まろりはもっと狭くて暗くて、例えば、小さなゴシック聖堂のような、親密でちょっと厳粛な空間をイメージしていたのですが、実際は広くて、高い位置に絵が掛けられていて、思ったより明るくて、がっかりとかではないのですが、ちょっと寂しかったかな。ただ単純に、もっと近くで、真っ直ぐ歩けない程に見たかったのです。

 そんな感じで、絵はもちろん具象画のように意味は成しませんが、傍らに置かれたカタログに載っていたロスコ本人の言葉を頼りに絵を見ると、分かるような分からないような(笑)
 ロスコさん、現代美術っぽい芸術家なのに、結構まともで面白い事おっしゃっています。(「芸術家」に対するあからさまな偏見)

 彼の絵は、いくつかの構成要素があって、一読しただけではそれほど覚えていないのだけど、人の注意を引くため、絵の持つ力を増幅させるだけの「大きさ」とか、人間だから「遊び・ユーモア」も必要とか、そんなものどもの配分を考えて絵を塗っています、とかそんな感じだったような・・・・・・結局うろおぼえです。
 中でも、まろりーが共感を覚えたのは、「希望」っていう要素。たとえ暗く沈んだ色調でも、10%の希望が必要だという。
 そういう幸せな考えかたは好き。絵を見て、判断するときに、どれくらい希望(とか夢とか幸福感とか、そんな肯定的なもの)が込められて見えるか、というのは、まろりにとっても大切なことだったりします。無意識的にね。
 なんというか、作者自身が作品に10%の希望を込めているなんて言って、確かに100%でも50%でもなく、きちんと10%くらいの希望を感じられて、絵に対してそういう抽象的な匙加減すらコントロール出来るんだな、って思いました。
 1つ学んだ。絵の見方が1個増えたな。

 まあ、ようするに、抽象画でただなんとなく赤く塗ったような絵に見えますが、適当に描いている訳ではないということなのですが、絵を見る限り、結構それが納得できたりします。絵から、結構な思慮深さを感じる……ような感じないような。物言わぬ絵画の味は今が旬の筍みたく淡く…まろりは卑怯にも断言を避けるよ(笑)
 
 で、さらにロスコさん曰く、自分の作品は自己主張じゃなくて、自分の価値観を喧伝するものではなくて、世界や人に対するコミュニケーションの手段みたいなものなんだって。だから、完成してしまえば、自分から離れて、自分とは切り離されたものだそう(とか、言っていたような)
 言葉ひとたび放たれば、取り返しがたく飛んで行く、といったような感じでしょうか。
 そういう訳で、ロスコの絵は、意味を読み取れないのに、穏やかに、愛想が良いのだろうと思います。

 面白かった。
 

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かの楽器に対するまとめ

 重ね重ね、ヴァージナルというのは素敵な楽器です。目下のところまろりーを夢中にさせています。

 まろりにとっては「オランダ絵画の中の楽器」というのがそもそものイメージですが、実際に鳴るのを見ると、不思議な音色といい、時に目まぐるしくて複雑な旋律といい、明らかに弾きにくそうな古い指使いの華やかさといい、なんだか、妙に衝撃的なのです。

 そもそも楽器の描かれた絵を特別に好む傾向にありますが、かつてまろりーが16世紀のオランダの声楽曲を聴いて、ロンドン・ナショナル・ギャラリーのテル・ブリュッヘンの合奏の絵を思い出して、どちらにも感動したように、そういう音楽の視点からヴァージナルの描かれた絵を改めて見てみたくもなるものです。

 フェルメール展とか、ルーヴル展は何かの先触れだったのかも知れません。
 この間日本に来た、フェルメールの小さなヴァージナルを弾く絵とか、その展示の最後に掛けられたデ・ウィッテのヴァージナルとか、その他、例えば、ロンドンナショナルギャラリーのフェルメールのヴァージナルを立って弾く女性だとか、その対作品?だとか……。
 こんな音が鳴っていたのかしらと、目の覚めるような思い。今までに無く、そうした絵にもっと入っていける感覚にわくわくします。
 四方をブーシェで飾られた薄暗い部屋に一人で取り残されたときのような、現在の自分と過去の装飾品のギャップに気圧される不安な非現実的な臨場感だとか、それに一瞬浸るスリリングな幸福感だとか、そんなことをも思い出しているのです。 

 耳から直接に心を揺さぶる音楽の力に、根っから視覚優位の美術愛好家たるまろりーからしてみれば、嫉妬の念を思わず覚えてもいます。
 盛期ルネサンスあたりに流行った、諸芸術の比較という不毛な(笑)論議にもし加わるならば、まろりーはやっぱりレオナルド・ダ・ヴィンチに味方して、絵画を上におきたいところ…。でも、まろりー自身の手では、雄弁に語ることなど到底出来ないのです。

 ああ、やっぱり見に行こう。是非、観に行く必要がある。

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あなたを・もっと・知りたくてバトン

とりあえず貰った。
空き時間に答えてみましょう。

Q1/好きな言葉は?
結構いろいろあるかも。思いついた順番で。
鞦韆院落夜沈沈。なんだか漢詩の一部。非常に美しい!ぶらんこは中庭に落ち、夜は静かに更ける、みたいな意味。
現在の座右の銘は「私の商品はみんながらくた、なれど心は本物。」
あるいは軽佻浮薄。
「La vie en beau!」とかボードレール氏のお言葉も忘れ難い(笑)

Q2/オススメの漫画は?
「将国のアルタイル」っていうファンタジー漫画。実在の各国をもじってある世界観が好きです。

Q3/最近の喜怒哀楽を教えて下さい
喜:ヴァージナル!まるでオランダ絵画の中から出てきたよう。
怒:世の中怒るほどのこともない。
哀:才能の無さ。人生を生きる才能を下さい(笑)
楽:絵を描いたり見たりするのは楽しい。ピアノを弾くのも楽しい。美術館の中にいる感覚を思い出したり、中世の修道院を歩く夢想。庭木の花、庭に集まる鳥の鑑賞、日々楽しいです。

Q4/ドラえもんの秘密道具がひとつだけ手に入るとしたら何にする?
スペアポケットです☆ (←卑怯な回答)

Q5/あなたが「コンビニでなんだか買っちゃうもの」は?
あまり目的もなく何となく買うってことがないかな。
大体、コンビニは必要に迫られてから行くので(普通はスーパーとかで安く買う)

Q6/今まででいちばん生命の危機を感じたのは?
幸運にも、いままで死にそうになったことって無いなぁ。
忘れているだけかしら。
死ぬってことを覚えておけと、よく名画は言いますが…。

Q7/いま聴いている曲は?
今は何も聞いていません。テレビからアップル携帯のCMが流れている。

Q8/現在欲しいものは?
芸術に浸る時間。

Q9/あなたのストレス解消法は?
エポケー。とか発想を転換させます。
自分の心持を変える方が簡単。

Q10/よく飲んでいる飲み物は?
ウーロン茶を常飲します。かわりは麦茶。
嗜好品として、サイダーやコーラやジンジャエールを割合好んで飲みます。
カレーは飲みません。

Q11/好きな小説家は?
作品別に読んじゃうので、あまり…。

Q12/ニックネームの由来を教えてください。
最初は何となく「まろ」で飾りで東洋風の「リー」がついて、ガリレオ・ガリレイやエドガー・ドガやマラン・マレやフィリッポ・リッピっぽく頭韻踏みたくて、魔狼を加えた。当て字は単純に魔法とか狼とか好きだから。魔狼って、こう、ファンタジーな生き物でしょ。字面がごつい割に発音はまろやかで比較的気に入っています。

Q13/これが無いと生きていけない!
芸術。割りかし切実です。
ファンタジーも必要。芸術とは無縁ではない。

Q14/かばんの中身を教えてください
財布、携帯、スイカ(植物でない)、鍵。ハンカチ、ティッシュが基本。
あとは軽い本が入っていることも。
あとは必要に応じて。そんなに面白いものは入っていません。

Q15/自分をRPGのキャラにたとえるとすればなに?
吟遊詩人。嘘です、格好良くし過ぎました。そんなに理想でもないです(笑)
じゃ、名前に引きづられて、狼に変身出来る能力を持った魔法使いの、実は一族を皆殺しにされてしまった暗い過去を持(以下略)
いいよ、道具屋Cとかで…(あながち間違いじゃない)

Q16/今まで回答してきた中で必要ないと思った問いを一つ外し、
欠番になった番号に自分で考えた問いを入れて次の人に回してください
なんとなく「Q6/今まででいちばん生命の危機を感じたのは?」を差し替えて、「Q6/好きなドラマ、漫画や小説のワンシーンを語ってください」でどうでしょう。まろりはハムレットの5幕1場好きだ。

Q17/バトンをまわす5人を絶対に指名してください。アンカー禁止。
興味のあるかたその他。
皆さん、忙しそうなので、名指ししません。

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フェルメール気分?

この間のこと。

ヴァージナル触らして貰った♪
ヴァージナルっていうのは、チェンバロと同じく弦を弾いて音を出す鍵盤楽器。チェンバロよりもっと小型(それでも幅は結構あるけど)で、音域も狭い、少し古い楽器。時代は16世紀~17世紀ってところじゃない?フェルメールを初めオランダ絵画のお姉さんがよく弾いているやつ。
意外と音量が大きくて、また低音域が不思議な音で、ジャックの上がり下がりが見えるのが格好良い☆
おおはしゃぎです。

ついでにヴァージナルの楽譜も貰った♪
親切に指番号つきのものもあるので、さっそくピアノで弾いてみたけど、あいつら(ヴァージナル弾き)本当に親指使わない!所在なさげに宙に浮く親指。小指の使用頻度も低めだし。親指便利なのに、どういう美意識なんだろうなー。
普段、耳慣れたクープランとかバッハとかともセンスが違うので、ちょっと難しい。簡単そうにみえて、やっぱり一日では習得出来なかった(笑)パヴァーヌ、クーラント、アルマンド(?)どれも舞曲なのに、たどたどしくてリズム感ゼロです。もちょい修行します…。
 新しいもの好きのまろりーは、新たに手に入れたヴァージナルの楽譜にぞっこんめろめろなのです。
 曲自体は古いけど、こう…18世紀のクラヴサン曲より存在自体がファンタジックだ。ある意味エキゾチックというか。慣れた18世紀ものはまろりにとっては「こっち側」なんだけど、16世紀くらい?の曲は「あっち側」。

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なんせんす・さむしんぐ

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