今日の夢は、見ている最中は怖いとか思わなかったけど、図像?的にやっぱり悪夢だったのかも。
一言でいえば、ルドンの版画のような夢でした。
行く先には、自動改札があって、持っていた切符を入れても開かない。
側の切符売り場で買おうとすると、切符売りのお姉さんは何だか手間取ってなかなか切符を渡してくれない。
ようやく貰った切符は木の札で、それを改札に通して、やっと進めた。
中は暗くて、生白く仄青い、昭和の蛍光灯が、人が歩くに支障ないぎりぎりの間隔で天井と壁の境目に張り付いている。
少し進むと、向こうからキュクロプスの生首が、意思を持ってまろりの足に纏わりつこうとごろごろ転がってくる。
後じさり、振り返ると、入り口は消えて、前方と同じ景色が後方に続いていた。
やっぱり悪夢かな?(笑)
ルドンの油絵ならさぞかし綺麗な夢だったろうけど・・・。
天使と悪魔を見に行きました。感想は、やっぱり詰め込んでいるなぁーと、この人たち文化財傷つけすぎ、でした。
原作を読んだ友人いわく、かなり内容変わっているみたい。
もともとそれほど期待していたわけでも、特別見たい映画でもなかったけど(笑)まあ、どんなもっともらしいとんでも説が見れるか、と。
しかし、主役のラングトン教授、何だっけ、宗教象徴学者だっけ、なのにラテン語読めないのはがっかりだぜ。ヘブライ語まで読めそうなのに。前回も、レオナルド・ダ・ヴィンチをレオナルドじゃなくてダ・ヴィンチと呼んでいた辺り、やっぱり怪しい。
しかし、「西洋美術解読辞典」が欲しくなってきます。あれも大人買いしそう。あの表紙だけめったら気まずいやつ。なんでアルノルフィーニ夫妻じゃなくて、ブロンズィーノの絵なんだ・・・と誰もが思うに違いないあの表紙。
みたいな趣旨の本を図書館で見かけました。
革命期、捕えられて断頭台に送られようとする人たちの末期の手紙集。
気になる。でも、下手なホラーより怖くて読まない方がいいと思う。でも気になる。読んだらトラウマになりそう。でも読みたい(笑)
おっかなびっくり、ちらっとだけ読んでみる。
「・・・処刑される者の財産は国家に没収されるそうだ。お前に家具の1つでも残るといいのだが。・・・
・・・さようなら、やさしい娘よ、私の死をどうか嘆かないでおくれ。・・・
(最後の短い手紙で)・・・もうお別れだ、私は勇気をもって死んでいくよ。」
ぎゃー生々しい。これ読んでたら本当凹みそう・・・。
そんな訳で今日は本についていろいろと。
さて、上の写真は、まろり所蔵の大型本の類。大型本って、持っているだけで幸せだ。もし肖像画を描いてもらうなら、やっぱりまろりーもこういう大きくて立派な本を一緒に描き込んで貰たいもの!
で、セール本になってたものだから最近、新しく買ってしまった。
西洋美術大全集 18
いやね、大人買いです。例のサイのクララの話を読み始めとき、何処かで18世紀のベネチア人の描いたサイの絵を見た記憶を掘り返しまして(ちなみにそれもクララの絵でした)、誰の絵だ、何処で見たっけ、何かの図版で…確か、「西洋美術大全集」だったな、ああ、あの本、今なら買えるか・・・そんなノリで。
ある意味青春の本かも。切羽詰ると、あの4キロ弱の重さの本+その他の本を肩に掛けて学校と家とを往復したものです。
馬鹿だと言ってくれて構いません(笑)
あ、そうだ。ちょっと図版小さいけど、某氏のために。
解説しますと、アラステアという人の描いた世紀末なリトグラフ。
何年か前に、ちらりとすれ違って、一目惚れ。この歪みきった偽ロココ調にやられまして。
爾来、この図像をずっと覚えていて、やっぱり後々探して追いかけて大人買いしたものです。
まあ、一目見ただけだったので記憶の中で像は歪んで、実際に手にするまで、二人でミュゼットでも弾いている絵だと思っていた訳ですが。
「マノン・レスコー」の一場面だそうで、こんな素敵な場面があるなんて、なんて素敵なんだと、この絵のためにマノン・レスコーを読んでみたものの・・・マノン・レスコーがシュヴァリエ・デ・グリュウと一緒にクラヴサンを弾いているシーンなんて無かったような。
まあ結局死に別れることになる主役二人の幸せな時代の一場面でしょう。
アラステアの他の絵と比べると、これでもかなり穏やかで口当たりのいい方。このイラストレーターの本領は、もっとおどろおどろしい、えぐみの強い絵で発揮されるので、正直、この絵よりももっと良い絵があると思います。
でもまろりーはなによりこの絵の幸福感が気に入ったんだ。
細い蔦が重みを無視して牧人やアルルカンを支えているようなグロテスク模様にも似た、装飾美のために楽器や人体や燭台の構造が怪しくなっているその案配。こういう絵柄でこれだけ軽やかなのが、感動的です。
馬鹿だと言ってくれて構いません(笑)
そんな感じで本バトンも消化!
■雑誌は買いますか?どんな雑誌を買って、またどんな雑誌は立ち読みしますか?
・・・全然買わないし、読まないなぁ。週間世界の美術館、とか気になるけど、そういう雑誌レベルなら、もっと分厚い本で読みたがる人間なのです。
■最近読んだ本は?
サイのクララの大旅行→鼻繋がりで、シラノ・ド・ベルジュラック→のりで、ジキルとハイド→科学心がうずいて、誰でも分かる相対性理論→宇宙とか星とか言われて、簡単な素人向けギリシア神話。→ウェルギリウスの「牧歌」
他、同時進行で、聊斎志異とクレーヴの奥方(文庫本なので電車の中用)。
ところで、アルカディア=素敵な田園という妄想はウェルギリウスが始めたものらしい、と「牧歌」の長い前解説に書いてあるのですが、まだ本文読めていないけど、さすがはウェルギリウス。まろりーが(神曲で)惚れただけのことはあります(笑)
■どんな漫画が好きですか?
ファンタジー漫画がいいなぁ。漫画は一冊も持っていないが、貸してもらえれば何でも読みます。
■買って失敗した……面白くないから買わなきゃよかった、という失敗はありますか?
某大学教授に買わされた同氏著の吟遊詩人の本。
新約聖書の外典も結構きつかったな・・・。
残念だが…ドレ挿絵の神曲も・・・認めたくないけど、結構挿絵を殺しているページも多々あり・・・。
■本(漫画・雑誌を含む)にかけるお金は月に何円くらいですか?
時々、不定期に大人買いをやります。結構図版とか高いものをちょいちょい・・・。
先日、後先考えずに7000円の本を買っちゃいました☆でも元の値段、2万円弱だもんね。
あんなに大きな本、どこにしまえばいいのかな。ベッドの下かな。
■雑誌や週刊誌はたまってくるとどうしますか?
買わないので溜まりません。
しかし、普通に普通の本が溜まる…。捨てるに忍びないので、いらないと判断したものはブックオフとかにあげてる。
■おすすめの本があれば教えてください。
クララのクランドツアーはお勧めかなー。歴史系にしては軽くて面白く読めると思います。
というか、あの本で色々なことを思い出した。思考が四方八方に拡散して回収するのが大変。
あまり、まろりーは人に勧めて喜ばれる本は読まないっていう事実。
シラノや危険な関係や変身物語はいつもおすすめ(笑)
■これはよくないよっていう本はありますか?
…東海道中膝栗毛。30ページくらいであまりのアレさに読めなくなりました(笑)
■本屋さんはどれくらいの頻度でいきますか?
時間があって目に付いたらふらっと。あまり買わないのだけどね。
もっぱら図書館に頼ります。
■買ったけど読んでない本ありますか?
聖書(分厚い!)、ゴンブリッチの美術の物語(分厚い!)、ルソーのエミール(上・中・下)、澁澤龍彦の「悪魔のなんとか」、その他多数の図版とか(絵をみて字を見ない)。でも、ヴァトーと雅宴画とかフラゴナールの素描とかって図版は、フランス語で書いてあるんだよ!?読むのめんどくさいわ。
■バトンを回す5人。
本の話題、聞きたいな。
久々の日記!さて、約一月分、一体なんの話題から始めましょうか?
とりあえず、色々書くのが面倒なルーヴル展の感想はうっちゃっておこう。
最近読んだ本について。
ええ、そういう訳で、誘惑に耐え切れずして、久々にハードカバーの本なんてものを買ってしまった訳です。…図書館にはあんまり入りそうになくてねぇ。しかもすぐ絶版するタイプとみた(笑)
その名も「サイのクララの大旅行」。
内容;18世紀に何百年ぶりかにやってきた当時の幻の動物、サイ(クララという名前)をオランダ人がヨーロッパ中に見せて回る!
っていうノンフィクションです。まろりが読む本にしてはノンフィクションは珍しいでしょ(笑)
原題がなかなか素敵です。「クララのグランドツアー」・・・まったく18世紀好きの心をくすぐるタイトルです。
グランドツアーというのは、18世紀のイギリス上流階級の間で流行ったヨーロッパ一周旅行。
そんな感じで、そのサイのクララが、何処にいって、誰に見られて、どんな影響を与えたか、っていうお話。
大雑把な感想は、小ねたが面白い。です。
まさか、サイの話を読んでいて、ヴェサリウスの解剖学書やテュルプ博士が出てくるとは…。なるほど、ヴェサリウスの解剖書の挿絵の懲りっぷり(骨格標本が別の頭蓋骨片手に頬杖付いて死について(ラテン語で)考えていたり、筋肉を見せた人が田園風景の前でポーズを取っていたり)は、想定した読者が、学者先生だけでなく一般の好奇心旺盛な人間も対象だったからなのね…。というか、ヴェサリウスに日本語訳が出ているんだって!読みたい・・・というより、挿絵だけ見たい。
この間あった、ルーヴル美術館展(18世紀工芸の)で見た、サイ時計。これもクララの像なんだって。あの時は、時計にサイなんて、まったく関係ないのに、ただ異国情緒を狙ってお馬鹿なんだから(←褒め言葉)とか思ったものの…まさかその時計を支えるサイに固有名詞があって、一大センセーションを巻き起こしていようとは、思っていなかった訳で。。。もうちょっと良く見とけば良かった(笑)
とか、脱線(というか寄り道)気味な内容につられて、自分の思考も結構脱線しますが、一番ショックだったのは、デューラーのサイが実はデューラーの妄想だったってことでしょうか・・・。結構写実的だと思っていたんだけど・・・!
いわれてみれば、まろり自身、サイなんて見た記憶が無い。テレビでも写真でも動物園でもサファリパークでも、絶対見ているはず。でも覚えていない。
そもそも、まろりは馬やサイとかの奇蹄目より、鹿や山羊といった偶蹄目を好むもので。。。かなりポピュラーなサイより、アビシニアコロブス(猿の仲間)やドール(犬の仲間)の方を覚えているとか。
…動物園にサイを見に行きたくなりました。サイって一体どんな動物なんだっけ…。
ためしにポケット動物図鑑を見てみたり。アフリカのサイは二本角で、インドサイが一本角。そんな訳で、アフリカのクロサイの学名が「ディケロス・ビコルニス」って言うんだって。それぞれギリシャ語とラテン語で「二本角・二本角」って意味だけど、誰が名前付けたのかなぁ…湯桶読みみたいで、気持ち悪い(笑)いいじゃん、「ゴリラゴリラゴリラ(ゴリラの学名)」がいるんだから、繰り返せば…とか思うのはまろりーだけでしょうか。
という訳で、この本のおかげでサイという生き物に興味津々です。というか、思考の網が四方八方に広がって楽しい。
ただ、肝心の図版が少なめなんだよねぇ。ウードリーのクララの絵は載せてくれないと!あと、面白いんだけど、ぺらぺら読めちゃうので、読み足りない(笑)
で、読み足りないので、図書館に行った折、ふと目についた本を、これまた誘惑に勝てずに、借りてみる。
「シラノ・ド・ベルジュラック」新訳古典文庫のね(笑)
鼻繋がり。散々、ライノーだのライノセラス(鼻・角の意味)だのそんな単語を読まされるうちに、おそらく潜在意識に働きかけたのでしょう。音もちょっと似ているし。
読み慣れた岩波より、分かり易いです。平明、というのがしっくり来るかな。上演する目的で訳したものらしく、耳で聞いてすぐ分かる感じ。岩波の訳での上演なら、一度連れて行ってもらったのだけど、あれは、事前に読んでおかないと、脳内で漢字変換できないぞ、って思ったものです。難しい日本語とか、候文なんか出てくるから。読み物としてなら断然岩波の訳のが雰囲気あって素敵だけどね!
でも相手がシラノなので、やっぱり良い話には変わりなく。注が充実しているので、そこはおすすめ。